サッカー日程変更は「緊急時対応を発動」高谷正哲氏が経過報告

高谷正哲スポークスパーソン(2019年4月16日撮影)

東京オリンピック(五輪)サッカー競技の日程変更が直前にあった件で、大会組織委員会の高谷正哲スポークスパーソンが6日、都内のメインプレスセンター(MPC)での定例会見で経過を報告した。

「競技スケジュールの設定には大変時間をかけてきた。最初は17年か18年か、決めた時点では最善の判断だったが、3日の夜に(準決勝を突破して女子決勝に)進出したスウェーデンから暑さへの懸念が示され、カナダも同じ考えであるとして、現実的な問題となって急ピッチで調整を進めてきた。急ではあったが、陸上との兼ね合いもあって会場も変えるコンテンジェンシー(緊急時対応)を発動した」

組織委は前夜、五輪のサッカー男子3位決定戦と女子決勝のスケジュールを変更。日本が53年ぶりの銅メダルを懸けてメキシコと対戦する男子は、開始時間を午後8時から同6時に前倒し(会場は埼玉のまま)。女子は、猛暑による選手への影響に配慮して6日午前11時の国立競技場から午後9時の日産スタジアムへ変えた。スウェーデンとカナダから遅い時間への変更を要求され、国際サッカー連盟(FIFA)などと協議していた。国立の夜は陸上競技があるため代替会場へ移す決断を模索していた。

男子は、試合開始まで24時間を切っての変更となった。影響については「もっと早くに通知できた方がいいに越したことはないが、議論としては、急浮上した問題に対し、ギリギリのところで判断した」と高谷氏は強調。コンテンジェンシーについては「全競技に定められており、サッカーの場合は天候など不測の事態に備え、横浜国際競技場を用意していた」と明らかにした。

五輪開幕後の時間変更はテニスなどで行われてきたが、会場変更は今大会では初めてとなる。【木下淳】