バッハ会長「日本人の忍耐力示してもらおう」五輪開催は「日本のため」強調

IOCのバッハ会長

国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(67=ドイツ)が6日、大会の財政負担に関する質問に応対した。

延期をへて開催するまでに1兆6500億円の経費がかかったことに加え、無観客開催になったことで、さらに約900億円のチケット収入も失った。その中で「まず最初に申し上げたいのは、五輪ムーブメントが各都市で共有されているということ。資金投入に当たっては、新しい会場の建設も含まれていると思う。ただ、その中で選手村はコストとは言えない。何十年もアパート、住宅として活用し、恩恵を受けることができる」と説明した。

続けて、大会延期を受けて「もしも、あの時点(昨年3月)で中止にしていたら、日本におけるさまざまな投資が、上向く展望がないまま終わっていたでしょう。日本には誰も来なかったのですから」とし「IOCにとっては(中止の方が)容易な解決策だったのかもしれません。保険を活用すれば、IOCの損失はなかったのですから。しかし我々は、そうではなく、さらに投資をしようと決めたのです。銀行の力をお借りし、8億ドル(約880億円)の追加投資をした。日本にとって、東京にとって、世界の何十億人に対して『日本の力を試せる場を残そう』『日本人の忍耐力を示してもらおう』と思った」と、開催した理由を「日本のため」と強調した。

東京・有明のメインプレスセンター(MPC)で、開幕後では初めて開いた会見で述べた。【木下淳】