航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が、東京パラリンピック開会式を控えた24日午後2時ごろから約15分間、都内で展示飛行を実施した。

今回の編隊長を務めた平川通3佐はじめ10人が、編隊6機と予備機1機の計7機で飛行。埼玉・入間基地を出発し、西から都心上空に進んで北上し、パラリンピックのシンボルマーク「スリーアギトス」と同じ赤、青、緑のカラースモークを出しながら、時計回りに大きく周回した。あいにくの曇り空だったが、鮮やかな3色の線が引かれると、都内各所で見上げた人々から歓声が上がった。

ブルーインパルスは7月の五輪開幕日も飛行し、五輪マークを描いた。密を避けてもらおうと直前まで時間を公表しなかったが、待機する人々によって長時間にわたり密集ができる場所もあった。今回は前日に時間を公表し、特定の場所でシンボルマークを描かないとして、感染拡大防止を呼び掛けていた。

この日も五輪時ほどではなかったが、飛行時間が近づくと各所に大勢が集まった。開会式会場の国立競技場最寄りのJR千駄ケ谷駅付近ではこの日、午後1時すぎから徐々に見物の人が集まり始め、警察官も多数出動。飛行時間には大勢が歩道を埋めた。

密集を気にしながらも一目見たい--。長時間の密集は避けられたようだが、ブルーインパルスの根強い人気を物語った。

【この日のブルーインパルス メンバーとスモークの色】

●1番機【緑】=編隊長・平川通3佐(福岡県出身)、名久井朋之2佐(青森県)

●2番機【青】=住田竜大1尉(北海道)

●3番機【青】=江口健1尉(福岡県)、鬼塚崇玄1尉(福岡県)

●4番機【緑】=永岡皇太1尉(宮崎県)

●5番機【赤】=河野守利3佐(佐賀県)

●6番機【赤】=真鍋成孝1尉(福岡県)

●予備機=遠渡祐樹2佐(山形県)、手島孝1尉(福岡県)

○…パラリンピックのシンボルマークは「スリーアギトス」と呼ばれる。「アギト」は、ラテン語で「私は動く」という意味で、困難なことがあってもあきらめずに、限界に挑戦し続けるパラリンピアンを表現している。赤・青・緑の3色は、世界の国旗で最も多く使用されている色として選ばれた。