「WE HAVE WINGS(我々には翼がある)」という開会式コンセプトのもと、パラエアポートという多様性を投影した飛行場で誰もが自由な空へ羽ばたけるよう障がいがあるキャストらが風を起こした。

日本選手団の入場行進が終わった後に登場した「片翼の小さな飛行機」。翼が1つしかないことで空を飛ぶ勇気が持てないことを表現したのは公募キャストの和合由依さん(13)だった。先天性の羊膜索症候群、関節拘縮症による上肢下肢の機能障がいがある。

和合さんは「私も左手があまり使えず、右手だけがよく使える状態でそこが似ていると共感しました」とコメント。一方で「『片翼-』には飛ぶ勇気がないのですが、私は『とりあえずやってみよう』というタイプ。そこは違うと感じています」とも語った。

オーディション合格の知らせには「ぎゃー!」と叫び、寝ていた妹を起こしたという。その豊かな表情は開会式でもそのまま。多くの仲間に励まされ勇気を得た「片翼の小さな飛行機」は空へと飛び立ち、式典のハイライトとなった。【平山連】