国枝慎吾が金王手「100%が出た試合」前回大会覇者にストレート勝ち

男子シングルス準決勝 決勝進出を決めガッツポーズする国枝(撮影・滝沢徹郎)

<東京パラリンピック:車いすテニス>◇2日◇有明テニスの森公園

車いすテニスで日本勢が強さを発揮した。男子シングルスは世界ランキング1位の国枝慎吾(37=ユニクロ)が、前回大会覇者のリード(英国)に6-3、6-2でストレート勝ち。銀メダル以上を確定させ、08年北京、12年ロンドン大会に続く3度目の金メダルに王手をかけた。女子シングルスは世界2位の上地結衣(27)が同種目で日本勢初の決勝進出を果たした。混合上下肢障がいダブルスは、菅野浩二(40)、諸石光照(54)組が2日未明まで及んだ3位決定戦を制して、同種目初のメダルをもたらした。

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自信がみなぎった。国枝は思い切りフォアを打ち出し、バックは羽ばたくように振り切った。前回大会金メダリストにマッチポイントも1本で決めきった。自信にあふれたストレートでの快勝に「100%が出た試合。序盤から振り切れていた」と復活を強調した。

前日は緊張で硬くなり、守りに入った。選手村に帰ってビデオを見返し、自分に失望した。「ひどいテニスをしてんな」。2-5の劣勢を逆転できたのは、勇気を持って攻めたから。「今日からそのモードで行こう」。ようやく気持ちもプレーも振り切れた。

攻めるのは、ミスをするリスクも伴う。鉄壁の守備を誇るだけに、守っても勝てる意識が先に立つ。しかし、「それで上の選手に勝てるほど甘い世界ではない」。フォアで相手のバックを狙うショットと、バックのクロスがさえ渡った。

2大会ぶりの金メダルをかけた4日予定の決勝の相手は、エフベリンク(オランダ)。準決勝で、前回大会銀メダルのヒューエット(英国)を破っている。対戦成績は国枝の9戦全勝。「このコンディションで決勝に行けることは、これ以上ないこと。100%をぶつけるだけだ」。そこに迷いはない。

車いすテニスは、猛暑や雨で試合開始が遅れるなど、タフな日程で行われている。国枝も28日のシングルス初戦からダブルスも含めて6日連続出場中。3日にはダブルス3位決定戦も控える。開会式では日本選手団主将として選手宣誓の大役も果たした。しかし、「そんなに疲れていない。6歳ぐらい若返ったのかな」と、ジョークも止まらなかった。

 

◆テニスの過酷さ 1コートに数試合が入った場合、第1試合以外は何時に始まるか分からない。屋外ではコートが滑りけがをする可能性のある雨には弱く、照り返しの陽光も熱中症の危険がある。室内以外は、自然から受ける影響が大きく、中断、待機、再開を繰り返す。そのため、試合時間や終了時間が遅れるのは日常茶飯事。それに耐えるメンタルも要求される。