パラ水泳の富田宇宙が銀メダル 金の木村敬一と抱き合い「良かったね」

男子100メートルバタフライ決勝 力泳する富田(撮影・河田真司)

<東京パラリンピック:水泳>◇3日◇東京アクアティクスセンター

パラ競泳のエース、木村敬一(30=東京ガス)が、悲願の金メダルを獲得した。男子100メートルバタフライ(視覚障害S11)予選を1位通過した木村は、決勝でも持ち前のパワフルな泳ぎをみせて1分2秒57で優勝。08年北京大会に初出場して4大会目、本格的に金メダルを目指してから9年目、猛練習を積み、米国に拠点を移した末に、通算8個目で最も輝く色のメダルを手にした。富田宇宙(32=日体大大学院)も1分3秒59で今大会3つ目のメダルとなる銀メダルを獲得した。

  ◇  ◇  ◇

ゴールした富田は、スタッフから自分の順位を聞くと「キムは?」と聞き返した。「1位」という答えに喜びを爆発させた。隣のコースの木村と抱き合い「良かったね」。自分の今大会3個目となるメダル以上に木村の金メダルを喜んだ。

「アスリートとしては失格かもしれませんが」と前置きして、富田は話した。「彼の努力も、すごさも、1番近くで見てきました。彼が金メダルで、こんなにうれしいことはない」。言葉に詰まり、目が潤んだ。まだ弱視(S13)だったリオ大会前から一緒に練習した。自分の障がいが進行する中で、その偉大さを認識した。だからこそ、心から喜べた。「生きてきて1番幸せな瞬間」と言った。

大会後は、拠点をスペインに移す。練習を続けながら、視覚障がいについても学ぶつもりだ。「障がいを良かったとは思わないけれど、多くの人が僕たちのレースを見て何かを感じてもらえれば」。初のパラリンピックを終えて、富田は幸せそうに言った。