スケボー13歳西矢椛が日本最年少金メダル 笑顔でやり抜き「うれしい」

スケートボード女子ストリートで優勝し涙を流しながら、ピースサインを見せる西矢。右は3位の中山(撮影・江口和貴)

<東京オリンピック(五輪):スケートボード>◇ストリート女子◇26日◇東京・有明アーバンスポーツパーク

西矢椛(もみじ、13=ムラサキスポーツ)が15・26点で金メダルを獲得した。13歳でのメダル獲得は、1992年バルセロナ大会競泳女子200メートルル平泳ぎで優勝した岩崎恭子(14歳6日)を抜き、日本史上最年少メダリストとなった。

西矢は「途中までは勝てないと思っていたけど、周りの人が励まして、いけるよって言ってくれて、(気分が)乗れてうれしかったです。金メダルの最年少記録だと思うので、それもうれしいです」と喜びを語った。

五輪の舞台については「(他の試合と)緊張感はそんなに変わらなかったです」と振り返り「最初はそんなにいい滑りができていなかったけど、後半はできたと思います。他の人も応援してくれているから、最後まで諦めずにやろうと気持ちが変わってきました」と初々しく話した。

西矢のモットーは「笑顔で楽しく滑りたい」。競技を教えてくれた父や兄から教わった言葉で、その心は「笑顔にしていれば、何か良いことがあるかもしれない」。この日も終始笑顔で競技をやり抜き、「みんなが「おお~」とか言ってくれるから、それが楽しいから笑顔で。はい」と笑った。

椛という名前は、「木に花が咲くように強く生きてほしい」との願いを込めて名付けられた。大舞台でも全く緊張感を感じさせない滑りで、日本人最年少の金メダルを手にした。

◆最年少金メダル 西矢の13歳330日は、1992年バルセロナ大会競泳女子200メートル平泳ぎの岩崎恭子14歳6日を抜いて日本人最年少。IOCによれば、これは世界でも五輪夏季大会史上3番目の若さ。最も若いのは36年ベルリン大会女子3メートル板飛び込みのマジョリー・ゲストリング(米国)で13歳268日。次ぐのは60年ローマ大会男子舵手付きペアのクラウス・ゼルタ(西ドイツ)で13歳283日。2位だったレアウが優勝していれば、13歳203日で五輪史上最年少だった。

 

<西矢椛(にしや・もみじ)>

◆生まれ 2007年8月30日、大阪府松原市出身。

◆きっかけ 2歳上の兄、颯(はやて)さんの影響で5歳から始める。

◆特徴 「『スケートボードに乗れてる』。バランス感覚がすごくて、きれいで無駄がない。そういうところが魅力的な滑りにつながっている」(日本代表の早川大輔コーチ)

◆実績 当時小学校6年生で19年世界最高峰の大会「Xゲーム」準優勝。21年世界選手権準優勝。

◆他に好きなスポーツ サッカー。Jリーグのセレッソ大阪のファン

◆息抜き ニンテンドースイッチ。好きなゲームは「マリオカート」と「フォートナイト」。

◆オリンピックについて 「ニュースで見たくらいで、(12年ロンドン、16年リオデジャネイロも)誰がメダルを取ったか分からないです」