五輪競泳金候補がワクチン接種拒否を公表 米代表マイケル・アンドルー

200メートル個人メドレー、100メートル平泳ぎ、50メートル自由形で東京五輪の米国代表に選出され、金メダルの有力候補とされる競泳男子のマイケル・アンドルー(22)が8日、新型コロナウイルスワクチンを接種しないことを公表した。

記者団の取材に応じたアンドルーは、ワクチンの副反応がトレーニングのスケジュールに影響を与える可能性や米水泳連盟が実施している厳格な感染予防のための規制を理由にあげている。

トップレベルを維持するアスリートとして計算に基づいてトレーニングを行い、本番に向けて調整をしていると語るアンドルーは、「自分の体がどのように反応するのか分からないものを自分の体の中に入れたくはありません」とコメント。ワクチンの副反応によってトレーニングのスケジュールが狂うリスクを避けるため接種はしないと語り、今後もしない意向を示した。

水泳連盟の感染対策によって頻繁に検査を受けているほか、マスク着用やソーシャルディスタンスの確保、人混みを避けるなど徹底的な感染予防対策を行っていると説明し、「今後も同様の感染予防を続けながら、東京に向かうまで毎日検査もする。感染リスクを限りなく最小限に抑えているので、安心だと確信している」と話している。

米国代表選手でワクチンの接種を拒否しているのはアンドルーだけでなく、体操女子米代表の補欠となった未成年のリアン・ウォン(17)も科学者の両親の意向でワクチンを接種しないことを明かしている。IOCも米国オリンピック・パラリンピック委員会もワクチン接種を義務付けてはいないものの、IOCは全体の8割ほどの選手がワクチンを接種して来日するとの見通しを明かしている。しかし、アンドルーのように副反応へ不安やパフォーマンスへの影響を懸念する選手は多く、他にもワクチン接種をせずに来日する選手が今後も続々出てくることが想定され、日本の水際対策の抜け穴になることが懸念される。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)