2年連続、名古屋でオールスターが行われる。前検日のインタビューやツイッターで吉田敏洋が「この地元メンバーで走るG1は、最後かもしれないので(ファンの皆さん)目に焼きつけて下さい」と、気合が入り過ぎているのか感傷的なコメント。それじゃ、彼はここを最後に引退するんだ。敏洋、有終の美をしっかり焼きつけておくぞ!

117期早期卒業の寺崎浩平が、いよいよG1を走る。先月のサマーナイトフェスティバルでビッグレースを初めて経験。「格上の選手が後ろを回った時にどう走るか」が課題だった。アマチュア時代から培われた経験でF1優勝までは順調だったが、ビッグ準決が壁になった印象だ。

G1初出場の寺崎浩平(右)を取材するヤマコウ
G1初出場の寺崎浩平(右)を取材するヤマコウ

寺崎の良さはレースの流れに乗って仕掛けるタイミングがうまいこと。後ろから押さえて先行するのが持ち味ではない。この持ち味をG1でも出せるかどうかが、今後の鍵を握っている。レースも勝負だが、自転車を降りた後も勝負は続くと思っている。「あいつ、先輩がついても自分のレースかよ」という視線との勝負だ。それは若手選手全般にも言える。それができないと、地区の駒で終わる。

10R、松坂洋平は中団にこだわるレースをするだろうから、寺崎のライバルは藤根俊貴だ。後ろを取った選手が先行態勢に入って前受けの選手がカマす。寺崎の持ち味を考えるなら前受けだろう。自分の持ち味を取り戻すことが大切だと思う。(日刊スポーツ評論家)