初日メインの特選12Rは原田研太朗が逃げる清水裕友を目標に楽々と抜け出した。2日目は2予7個レースが中心だ。ヤマコウ(山口幸二氏=日刊スポーツ評論家)はその中から、8Rの原田を指名。3分戦だが、別線自力型との脚力差は歴然。力で圧倒とにらんだ。

ヤマコウは特選で白星スタートを飾った原田研太朗に期待した
ヤマコウは特選で白星スタートを飾った原田研太朗に期待した

初日はすごい風だった。ホーム追い風、バック向かい風で先行する選手を苦しめた。1予11Rの吉田敏洋の勝利者インタビューが行われた時、突風が吹いてテントが揺れた。あれは「敏洋、話が長いぞ」と言う天の声だったに違いない。

昨日のMVPは佐藤慎太郎だった。逃げる郡司浩平の番手から、カマす清水裕友の3番手、高原仁志を飛ばして郡司を迎え入れた。これがなかったら郡司は9着だった。そして、追い込む郡司の中を割って2着。地味な動きにもプロの神髄を見た。

逆に、清水の番手から追い込んだ原田研太朗だが、まだまだ番手の技術は未熟だった。外を追い込んできた郡司をけん制したのだろうが、外を気にするあまり慎太郎のコースを作ってしまった。しっかり内を締めて走れば清水は2着だった。番手のレースはかくも難しいのだ。また、決勝と勝ち上がりのレースは違う。

近況の原田は自力と追い込みを併用して連勝を9に伸ばした。「レースに気持ちを入れるようになってから変わった」と言うように、所々に気迫を感じる。まだまだ人の良さは隠せないが、一生懸命変わろうと努力している。これも、清水や松浦悠士と連係する機会が多いことに加え、番手を回るようになって競輪の厳しさが分かってきたのだと思う。

「あれ? 原田ちょっと変わったな」と思わせたのが、1月13日に行われた松山F1の準決。前受けが原田、中団に石口慶多、後ろ攻めが佐藤幸治だった。佐藤が切った上から先行態勢に入った石口が流したからカマしたわけではなく、前の動きに関係なく仕掛けたから力でねじ伏せたと言っていい。2予8Rで先行有力な福永大智との力の差は明確。脚力の差を見せて欲しい。(日刊スポーツ評論家)

ヤマコウ印
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