本年度から公営競技局となった若松ボートが、業界でも珍しいアスリートの支援に動きだした。パラ・パワーリフティング女子55キロ級の日本記録保持者・マクドナルド山本恵理(35、愛称マック)と1日付でスポンサー契約を締結した。

笑顔でガッツポーズを見せるマクドナルド山本恵理
笑顔でガッツポーズを見せるマクドナルド山本恵理

日本財団パラリンピックサポートセンター職員として教育事業を担当するマックが昨年度、健常者と障がい者のコミュニケーションに関する講演を若松ボートの職員に対して行ったことがきっかけ。以前なら支援は厳しかったが、今年4月から企業会計に変わりサポートが可能となった。

北九州市の戸畑と若松を結ぶ若戸大橋と若戸トンネルは12月から無料化されるが、ボートレース事業からも供出金を出すなど、若松ボートは社会活動に貢献してきた。今回の支援はその一環になるが、上野孝司公営競技局長は「山本選手が世界を目指す活動を後押しできれば」と積極的に後方支援する。

祖父が福岡出身で、マックにとって縁がある地域での活動になる。4日は北橋健治北九州市長を表敬訪問し「北九州市は車いすバスケットなども盛んですが、まだまだパラスポーツは知られていない。今回のことでもっと広く伝えられるようにしたい」と支援に対して笑顔で感謝した。

公営競技の収益金の一部は地方自治体の予算に組み込まれ、小中学校や病院などの公共施設の建設にも活用されていることは意外と知られていない。今回を契機に、ボートレースが地域や社会貢献につながっていることが広がればと願っている。