丸亀のエース森高一真が今年続けざまに弟子を取った。昔からあるペラグループの垣根を乗り越え、分け隔て無く若手を熱血指導するのが森高のスタイルだった。「下のもんが強くなって突き上げしてくれないとオレらも強くならん」が口癖だった。ある日、伸び悩む117期の原村拓也の姿を見かねて「俺が直接見てやる」と話しているのを人づてに聞き、原村が直訴して今年5月から師弟関係が成立した。

原村は「森高さんにはSGに出るくらいの志を高く持てと言われてます。練習にも付き添ってくれるけど、レースごとに具体的なアドバイスがもらえるのがありがたい。森高さんの言葉だから重みがあるし、それを生かしてレースでぶつけていくだけです」。一番響いた言葉は「勝たなあかん、じゃなくて『勝ってやれ』と思ってレースに臨め」だと話す。

森高は、原村に続いて123期として今月17日にデビューする冨田祥(21=香川)の世話も引き受けた。冨田は幼少の頃、父に丸亀ボートに連れていってもらった。そこで優勝したのが森高。三本松高校で父と同級生だった森高の姿に憧れて、レーサーを目指した。卒業後は6回の受験を経てレーサー養成学校に合格した。冨田は「デビュー戦は親戚や知人が見に来てくれる。楽しみの方が大きいですね」と目を輝かせる。

闘将“森高イズム”を注入された原村と冨田。これからのレースぶりに注目したい。

◆原村拓也の出場予定レース 15日までの江戸川一般戦、23~28日の福岡一般戦、12月3~6日の宮島一般戦、13~17日の三国一般戦。

◆冨田祥の出場予定レース 17~22日の丸亀一般戦、12月10日~15日の鳴門一般戦。