不調にあえいでいた石塚輪太郎(24=和歌山)から景気のいい言葉がポンポンと飛び出した。「最近ではベストの状態。今回はやれる気しかしません」。

G1戦線に出るようになり、ほかの一流選手と同様に道具にもこだわり出した。シューズは流行りのカーボン製にして、ハンドルも狭いタイプのものに変えた。

「すぐには結果が出ないと思って3カ月は我慢した。でも、結果が出なかったし、体にまで異変が起きたんです」。

先行してもいいフィーリングで駆けられず、揚げ句には腰痛まで発症してしまった。とうとう我慢の限界がきて、すべてを元に戻した。

「すーっと腰痛が消えたんです。練習でも久々に『これだ』という感覚があった。合ってないのが分かっただけでも収穫。この3カ月の分をここから取り返していきますよ」。

特選11Rは、別線に積極型が不在。もう迷いはない。ストレスのない体で先陣を切る。