S級1位鈴木圭一郎(24=浜松)が3年連続で日刊MVPに輝いた。日刊スポーツ新聞社制定「第31回オートレース年間三賞」の選考委員会が16日に行われ、18年の殊勲賞にSG優勝2回の鈴木を選出した。表彰式は3月1日に東京・品川プリンスホテルで行われる。

鈴木圭一郎が今年も殊勲賞を受賞した。「3年連続なんですか?」選出された資料をのぞき込みながら、逆質問してきたほど、3年連続受賞に驚いていた。

昨年は138戦して、青山周平が保持していた年間86勝を3勝上回る89勝をマーク。2着22回、3着16回。3連対率は驚異の約92%と、最も車券に貢献した。グレードレースでの活躍も多かった。昨年は川口こそG1キューポラ杯準優勝が最高だが、残る伊勢崎、浜松、山陽、飯塚の4場でいずれもG2以上のレースを制してきた。

SGは1月飯塚の全日本選抜を制覇し、10月に地元浜松で全日本選抜を完全V。12月山陽G1スピード王もゲットし年間を通して結果は残し続けてきた。「去年はたまたま自分はクランクが良かったから。いいクランクがあったから、この成績を残せたのかな」と振り返った。

最近は思うことがある。「意識をしないような意識ですかね。『ここで優勝しないと』とか『試走を出さないと』とか結果に対する意識が大きくなってしまっている」。昨年は8月の浜松普通開催から9月伊勢崎G2稲妻賞にかけてが、最も車が安定して動いていた時期だった。

「去年夏、成績が良かった時期はそういう意識はなかった。最近はそれを意識しているのが良くない。まずは去年とか一昨年とか自分のステージを良かった時の状態に上げることです」。24歳のトップランナーは、葛藤と模索を繰り返し、妥協なき調整で今年もV争いをけん引する。

◆鈴木圭一郎(すずき・けいいちろう)1994年(平6)11月30日、東京都生まれ。浜松所属32期生。S級1位。SG優勝は全日本選抜3回、日本選手権2回、SS王座決定戦とオールスター1回。通算優勝29回。1着359回。MVP3回(16~18年)。趣味は魚釣りと車。160センチ、50キロ。血液型A。

◆日刊スポーツ新聞社制定「オートレース年間三賞」

1988年(昭63)に創設された。1年間(1~12月)に活躍した選手を表彰する。表彰対象は原則としてSGの優勝者で、ほかにさまざまな記録が考慮される。JKAが協賛。受賞者には賞金と表彰状が贈られる。年間三賞はボートレース、競輪でも制定されている。

▼殊勲賞 SGの優勝者が対象。SGを複数回優勝するなど、最も顕著な活躍を見せた選手。その年のMVP。

▼敢闘賞 原則としてデビュー5年未満の選手。優勝回数などを総合的に勘案して選出。

▼技能賞 優勝レース、優勝回数、優出回数など、その年の成績を総合的に勘案して選出。