日刊スポーツ新聞社制定「第33回競輪年間三賞」の表彰式が14日、都内のホテルで行われ、読者や関係者ら約150人が出席した。

MVPの殊勲賞は佐藤慎太郎(43=福島)、敢闘賞は中川誠一郎(40=熊本)、技能賞は松浦悠士(29=広島)が、それぞれ初受賞となった。ガールズ最優秀選手賞は児玉碧衣(24=福岡)が2年連続で受賞。児玉は小倉G3出走のため欠席となった。

昨年末、初めてKEIRINグランプリ(GP)を制し、殊勲賞を受賞した佐藤は「今年は注目されている気がしますね」と、率直な感想を口にした。

輪界屈指の爆笑話術と豪快なレースぶりで、ファンや報道陣を魅了してきた男は、人知れず競輪への向き合い方を変えていたと明かす。「若いときは楽しみながら練習していたけど、38~39歳くらいからかな。体を使う趣味は翌日の練習に影響するし、結局、その次の日にも影響する。練習のことだけを考えるようになった」。

趣味だったゴルフも、今ではクラブがさび付くほど。「グレードレースでも一昨年くらいから手応えを感じていた」。43歳で初めてつかんだGPは、決して偶然の産物ではなかった。

GP覇者として、チャンピオンジャージーを身にまとう20年が始まった。「今年はこっそり勝ち上がってG1を取りたいね。去年のGPみたいに」。G1初制覇から約17年。13年ぶりGPで優勝した男が、長い時間の壁を乗り越える。