近江翔吾&山田祐也、水面駆けるイケメン対談/鳴門

鳴門四国地区選での活躍を誓う山田祐也(左)と近江翔吾

 鳴門ボートのG1「第60回四国地区選手権」は明日19日から24日まで行われる。60年に及ぶ徳島VS香川の対決に新たに旋風を巻き起こすイケメンレーサー2人を紹介。昨年の最優秀新人に選ばれた山田祐也(27=徳島)と期待の新鋭・近江翔吾(24=香川)が対談で熱い思いを語った。

 -まずは紹介もかねてボートレーサーになったきっかけを

 近江翔吾(以後、近江) 中学の時、親に連れていってもらった丸亀ボートで見たレースがとにかく衝撃だった。阿波勝哉さんが大外6コースから一気にまくって行ったのを見ました。とにかくかっこよかった。高校進学のことも吹っ飛んで、自分はレーサーになるしかないと思いました。

 山田祐也(以後、山田) それはすごい。もう運命だったんですね。それに比べると僕は高知の工業高校に進んで、そのままの流れで兵庫の自動車の部品を作る工場に勤めました。平凡なサラリーマン勤めで『これは自分のやりたいこととは違うな』と思っていたら、ある日、テレビでボートレーサー募集のCMを見て興味を持ちました。近江さんと比べたら平凡ですよね。

 近江 そんなことないよ。でも6コースまくりはそれからずっと憧れで…。初優勝の鳴門も6コースまくり。実は、決められたのはそれが初めてだし、その1回きりなんですよ。

 山田 それはそれで運命だったんですね。

 近江 鳴門の地区選でも四国の強い先輩方相手に6コースまくりが決まれば気持ちいいだろうね。

 山田 僕もダッシュからのスタートは自信があるんですよ。思い切ったレースをしたいですね。

 近江 僕と同じレースのときは遠慮してくれよな。

 山田 お互いさまです。

 -山田選手は昨年12月に平和島で初優勝、続けて鳴門でも優勝して一気にブレーク。最優秀新人にも選ばれた。近江選手も昨年12月の丸亀で地元初優勝した後、1月児島で通算3回目の優勝と、ともに絶好調

 山田 優出してもなかなか優勝出来なくて苦しみました。同期の112期からどうしても優勝者が出ないのに、中村桃佳の114期が続けざまに優勝を決めたので焦りました。一時期は「史上最弱の期」と言われかけましたからね。

 -初優勝の平和島はプレッシャーがかかった

 山田 優勝戦はさすがに緊張しました。でも平和島でも勝てたので次の地元鳴門の優勝戦はすごく気持ちが楽でした。1回優勝を決めたことで、リラックスしていけました。昨年12月に一気に2回勝てたのは大きかったですね。最優秀新人の座を争っていた山崎郡選手も鳴門の優勝戦に乗っていた中で勝てたので、これはいけると思いましたよ。

 近江 僕もパソコンで見てたけど、落ち着いていたよね。地元戦で2回目というのも良かったね。年明け1月末の鳴門優勝戦も1号艇で勝ててたらもっと弾みがついたのにね。

 山田 そうなんですけど、勝った山田哲也さんにはスタートでプレッシャーをかけられました。その点、前日の近江さんは児島の1号艇で勝ち切りました。

 近江 西島(義則)さんのプレッシャーは半端じゃなかったけどインを死守して何とか勝ち切れて自信になりました。エンジンも最後は仕上がってましたから、多少深くても持つと思って行けました。逆に11月の地元丸亀は大したエンジンではなかったけど、出足を仕上げて3コースから勝ち切れた。冬の時期に入って自分のリズムが上がってきているのも感じてました。地区選も互いにいいリズムで行けそうです。

 -山田選手にとっては地元を舞台に初めてのG1、近江選手も思い出の地での戦いです

 山田 何とか地元の利を生かしたいですね。新スタンドになって3節走らせてもらって、全部優勝戦に乗ってるし、もちろん相性が悪いとは言えません(笑い)。今エース機と言われる68号機を引けたらいいですけど、それ以外のエンジンでも他の場よりは仕上げる自信はありますね。強い選手ばかりの中で早く仕上げて、いい勝負がしたいですよね。

 近江 僕も直前に追加配分で走らせてもらったのは大きいですね。結果も良かったし、エンジンも良かった。何とか方向性もつかめた気がします。鳴門はデビュー初優勝もそうだけど、初勝利もここなんです。イメージはずっと悪くないですよ。でも冬の追い風はやっかいですよ。強風だと1Mの乗りにくさはとんでもない。まあそれは他の選手も同じだと思いますけどね。僕が優勝したときも風が強かったけど、優勝戦だけピタリと止んでました。だからまくれた。

 山田 やっぱり先輩は持ってますね。その勝負強さを見習わないと…。勝ったときもグランプリの優勝戦があった日で、けっこうファンにも印象に残る優勝だったと思いますよ。

 近江 たまたまだよ。山田君の連続優勝も十分インパクトがあったよ。それで最優秀新人を取ってしまったんだから。徳島では田村隆信さん以来でしょう。

 山田 田村さん以来なのは本当に光栄ですね。尊敬する先輩ですから。

 近江 本当に僕らは、今度一緒に走る先輩さまさまだと思う。師匠(河上哲也)もそうだけど、重成(一人)さんや森高(一真)さんは同じ開催で惜しみなく調整の仕方から、レースへの取り組みまで指導してくれる。森高さんなんか「お前ら若手ががんばらな、四国全体が盛り上がらん」と言って、いつも尻をたたいてくれる。本当にありがたいです。

 山田 僕は今まで師匠を持たないで来たんだけど、徳島もグループを超えていろんなアドバイスをくれます。これには結果で応えるしかないですからね。

 近江 そういう意味でも四国の地区選は取るつもりで行きますよ。取ることで目標のSG出場へ近づきますからね。

 山田 まだG1さえ走ったことのない僕が言うのはおこがましいけど、それぐらいの強い気持ちで行かないと勝てるレースも勝てないですからね。気合入れて行きますよ。

 -2人ともイケメンレーサー、さぞやオフは華やか?

 山田 僕はレーサーになった頃に結婚もして子供も出来ました。だからオフはそんなに遊んでないですよ。

 近江 ほんまかな。

 山田 先輩、そんなにちゃかさないでください。(レーサーになる前の)独身時代の方が遊んでいた気はしますね。今はレースが終わってぼーっとしていることの方が多いですね。レース参加中は気が張ってるのもあるし、本当に疲れて帰る。家で寝てることの方が多い。でもこの前、子供にレースに行くときに「お父さん、今からボートレースに行くの?」って初めて声をかけられて、めっちゃ、うれしかったです。

 近江 へえ、そんなお父さんの顔もあるんだ。

 山田 そんな、人を遊び人みたいに言わないで下さいよ。そういう独身の近江さんこそ、よく遊んでいるでしょう。

 近江 それは否定しないです。オフとオンの切り替えってすごく大事だと思うんです。遊ぶときは遊ぶ、仕事のときは仕事に集中する。これが出来ないと強くなれないと思ってます。

 山田 休みはどんな遊びをしてるんですか。

 近江 今の季節ならスノボにいったり、釣りとかゴルフにマリンスポーツとアウトドア系の遊びが好きだね。山田君も家に引きこもってばかりいないで、外に出ないと。

 山田 確かにそう思います。僕も何か趣味を持たないといけないとは思ってます。先輩、結婚は?

 近江 おっと、そう来るか。まだまだ結婚願望はないですね。もっと遊びたいし、その前にもっと仕事で結果も出したいしね。子供は好きだけどね。

 山田 そういえばさっきファンの人の子供にも笑顔を向けてましたね。また多くの女性ファンから好感度が上がりそうですね。

 近江 いらんことは言わないように。山田も結婚して子供いると知ったら嘆き悲しむ女性ファンも多いだろうな。

 山田 そんなことはないです。(取材構成・神田成史)

 ◆近江翔吾(おうみ・しょうご)1993年(平5)2月18日、大阪府生まれ。107期として10年11月の丸亀でデビュー。初1着は11年8月の鳴門。13年12月鳴門で初優勝。16年12月に地元丸亀で2回目の優勝。今年1月児島で3回目の優勝を飾った。168センチ、53キロ、血液型O。

 ◆山田祐也(やまだ・ゆうや)1989年(平元)7月6日、高知県生まれ。112期生として13年5月の鳴門でデビュー。初1着は13年6月の鳴門。16年12月の平和島で初優勝。同月に鳴門で2回目の優勝。170センチ、54キロ、血液型A。