山崎智也、娘も養成所入りで頑張る理由できた/桐生

休日返上で調整の復習をする山崎智也

 桐生ボートの開設61周年記念G1赤城雷神杯が、明日14日に開幕する。SGクラシック覇者の桐生順平(31=埼玉)や、オーシャンカップで悲願のSG初Vを達成した峰竜太(32=佐賀)が参戦する。地元では江口晃生(52)、毒島誠(33)、秋山直之(38)らが強力遠征陣を迎え撃つ。注目選手として桐生でSG1回、G1・9回の優勝実績がある地元の山崎智也(43)にインタビューした。

 -今年のこれまでの戦いの感想はどうですか

 山崎智也 出来としては30点かな。自分が今、賞金ランキング何位にいるとか把握してなくて、嫁さん(奏恵夫人)に聞いたりしてるからね(笑い)。今年はエンジンが出ていると感じた事はまだ1度もない。前だったら「何でこんなに仕上がらないんだ」ってイライラしたはずなのに「出ないもんはしょうがない」とか思ってしまっていた。でも、9月の多摩川一般戦でひどい成績をとって、やっとスイッチが入った感じがする。物置になってたペラ小屋で5年ぶりくらいにペラをたたいたり、ゲージを作ったりし始めた。いいきっかけをもらった。ボートレースはメンタルスポーツだと思ってる。気持ちが入ってなきゃ駄目だよ。昔はレースで勝つことが一番楽しかったし、その気持ちを取り戻したい。

 -今、レース以外で楽しんでいることは何ですか

 山崎 子供と遊ぶことかな。それとネットゲーム。時間があればずっとやっちゃう。経験値を稼いでレベルアップして強い敵を倒す。相手の行動を見て、最適解を選ぶとか戦術を考えてる時も楽しい。ボートレースと似てない? 毎回節一になるようなアイテムどこかに売ってないかな(笑い)。

 -娘の小葉音(こはね)さんがボートレーサー養成所に入りました

 山崎 10年に結婚してすぐ、約2年9カ月ぶりに優勝できたし、嫁さんが引退した12年に初めて賞金王(現グランプリ)になれた。転機ってのはあると思う。今回、転機があるとすれば娘が先日、養成所に入ったことかな。また頑張らなきゃいけない理由ができた。

 -地元意識について

 山崎 若い時は桐生の一般戦はもちろん、記念でもSGでも優勝する気持ちしかなかった。実際、記念でもほとんど優勝とか優出した気がする。今は勘違いがなくなったのか、冷静に自分を見られるようになったのかもしれない。やはり気持ちの問題でしょう。

 -その桐生の実績が評価されて初日ドリームの1号艇です

 山崎 枠によって気合が入る事はあまりないかな。ドリーム戦は6着でも5点もらえるから、本当は外枠の方が得な気がする(笑い)。でも、初戦を勝って勢いに乗りたいのも本音かな。

 -今の自分に足りないと感じるものは

 山崎 調整にしてもそうだけど、自分を修正するってのが一番難しい。人を客観的に見る事はできても、自分は変なプライドが邪魔しちゃう。こっちの方向で調整しても失敗する確率が高いって分かってるのに、何かしら理由を付けて間違った事をしちゃう。素直に現状を受け止めないと駄目だよね。うまい人とか稼ぐ人ってのは情報の取捨選択や時間の使い方もうまいと思うし、それは年齢に関係なく見習いたい。若い子にもターンは負けてない気がするんだけどね。

 -買い時、狙い時は

 山崎 今はエンジンが出なきゃ勝てない時代だけど、だからこそペラ調整が大事。桐生は合えばすごく乗りやすくなる。伸びはあまり気にしない方だけど、出足がきてる時はタイムなども出ている。そんな時は足とターンがリンクして勝ててるんじゃないかな。

-最後に意気込みを

 山崎 年末のグランプリ出場を狙うには、まず下関チャレンジカップに出る権利を取ること。そのためには今回の地元周年で結果を出さないといけない。自分は桐生ボートに育てられたし、優勝して恩返しをしたい。メンタルを鍛え直して昔の自分を取り戻します!

 ◆山崎智也(やまざき・ともや)1974年(昭49)3月11日、群馬県邑楽生まれ。71期生として92年11月桐生でデビュー。94年10月平和島で初優勝。97年10月唐津の全日本選手権でSG初優出、初優勝を達成。165センチ、51キロ。血液型A。