柳瀬幹太がデビュー戦を前に意気込みを語る/徳山

デビューを迎えた柳瀬幹太(右)は2期先輩の重冨勇哉にアドバイスを受ける(撮影・芹沢誠)

<徳山ボート>◇前検日◇18日

山口支部124期の柳瀬幹太(20=山口)が、デビュー戦を迎える。初日は11レースの6枠1走。そのまま大外からの発進となる。

前検では同県の2期上の先輩、122期の重冨勇哉が、つきっきりでアドバイスをしていた。

5人で行われたスタート練習は、その重冨と同組。前検タイムは7・07で重冨の7・12を上回った。

スタート1本目は5コース進入でコンマ25、2本目は2コースからコンマ01、ラストの3本目は5コースからコンマ09だった。

「技術的にはまだまだですが、展開を突けるように頑張りたいです。事故とけががないように経験を積んでいきたい」と初出走の意気込みを語る。

師匠はまだいない。理由を尋ねると「山口支部では、今期から新人は(通称)“ヤング会”に入って、まずは若手で競い合うという制度ができました。114期の選手もいるので、いつまでヤング会にいられるとかは、今のところありません。いろいろと見えてきた段階、たとえば6期を過ぎてからとかになって、欲しい人は自分で師匠を探すんです。(支部長の)江本(真治)さんが、僕ら若手が伸びるように、いろいろと考案してくれた中の1つなんです」と説明する。

今節参加している山口支部の原田篤志にその点を確認すると「(自分の)弟子に品川(二千翔)がいるんですけど、正直なかなか会うことすら厳しいんです。いままでは地元の先輩に付く方法が主だったんですけれど、それでは難しいことも多くて」と、上位クラスを戦うことも多い選手の弟子になった場合、見てもらう機会そのものが少ないという弊害があることを、分かりやすく解説する。

「でも例えば、今節みたいに一緒の開催になって、そのときに聞かれれば、どんどん教えていきたい」と先輩として門戸はいつでも広く開けていることを、メリットとして強調する。

原田は「誰々の弟子とかだと、僕らもその選手の師匠の手前、教えることにためらうこともあるので」と若手がさまざま考え方や経験に触れあえる、絶好のチャンスである点も力説する。

今は師匠がいない柳瀬だが、身近な存在に選手である父親の柳瀬興志(49=山口)がいることは大きいだろう。その父からの今節のアドバイスは「まずは、陸の上の仕事をきっちり頑張るように」だそうだ。

デビュー戦は「楽しみ7割、どきどき3割」という。初日11R、(黄色い)12秒針が回転するとき、柳瀬の心中はどのようなものか。徳山で見守る地元ファンと父・柳瀬(興志)もきっと同じどきどきした気持ちになるのだろう。