<いわき平競輪:日本選手権>◇G1◇初日◇3日
【松井律・競輪黙示録スペシャル】
昨年8月、涙をにじませながら見上げた“いわきの夜空”は、決して忘れることがないだろう。
古性の競輪人生の第2章がスタートした瞬間だった。「僕の人生はそこから激変しました。あきらめないで自分のレースを続けてきて、本当に良かったです」。
思えば、第1章は屈辱にまみれていた。位置取りに妥協のないスタイルは、大事な場面で落車や失格を招く。その結果、あと1歩でKEIRINグランプリ(GP)に届かない。同い年の松浦悠士や郡司浩平の活躍が、ただまぶしかった。
それでも、スタイルを変えなかったことで、対戦相手は古性との並走を回避するようになった。「位置取りは絶対に負けない」。古性が手に入れた武器は、その後のGPや、全日本選抜で抜群の威力を発揮した。
追う立場から、追われる立場へ。この約8カ月間で景色の見え方はどう変わったのか? 「脇本(雄太)さんだけに頼るわけにはいかない。GPには1人でも多く近畿の選手に乗ってほしいし、乗せたいんです」。発する言葉からは、近畿のニューリーダーとしての自覚が芽生えていた。
着々とタイトルを増やしている古性にとっても、日本選手権だけは特別である。「真の日本一を決める大会。一番取りたいG1タイトルだし、そのためにやれることは全部やってきました」。
もう1番車での戦い方は習得した。特選11Rは、好位を確保し、混戦をまくりで断つ。(1)-(3)(5)(6)(7)-全でいただく。【松井律】