<児島ボート:オーシャンカップ>◇SG◇最終日◇23日
児島夏の陣はよもやの大波乱で幕を閉じた。12Rで優勝戦が行われ、羽野直也(28=福岡)が5コースからまくり差して1着。6月グラチャン(徳山)での磯部誠に続き、平成生まれでは2人目のSGウイナーとなった。今回の優勝で賞金ランクは6169万8000円となり、4位に大幅アップ。昨年に続く年末のグランプリ(住之江)出場へ大きく前進した。なお、3連単16万260円は、SG優勝戦における歴代最高配当となった。
誰からも愛される“はのきゅん”が、大仕事をやってのけた。ゴール後、大勢のファンが待ち受ける中でのウイニングランで、優勝した実感をかみしめた。「配当が結構付いたので、負けた人が多いと思ったんですが、いっぱいのお客さんが来てくださってうれしかったです」。
4日目から取り組んでいた、手前を重視した調整を施して臨んだファイナル。何とか許容範囲に入れることができた。1Mは準優での反省を踏まえ、思い切ったハンドルを意識。展開をまんまとものにした。バックで磯部誠が迫ってきて焦ったが冷静に2Mを先取りし、そのまま独走態勢を築き上げた。
17年10月の大村G1周年で優勝。平成生まれでは初だったこともあり、一躍時の人となった。ところが、その後は重圧もあって思うようなレースができない時期が続いた。さらに、6月の徳山オーシャンカップで磯部誠が平成生まれ初のSGウイナーとなり、先を越された。焦りを覚えつつも、一方でレーサーとしての成長も感じ取っていた。「悔しかったけど、磯部さんに背中を押してもらった感じがありますね」。つらくて、苦しい時期を乗り越えたからこそつかみ取った今回の栄冠だった。
今後の目標を聞かれると、「地元の福岡でSGを優勝すること」ときっぱり言い切ったニューヒーロー。もちろん福岡のみならず、全国各地でさっそうと水面を駆け抜け、ファンの心をきゅんとさせる。
【優勝戦VTR】進入は展示同様の枠なり3対3。茅原が覚悟の強攻策を選択し、これに馬場が猛抵抗。乱れた1Mを、羽野は5コースから鮮やかなまくり差しで抜け出し。節一の足を駆る磯部、桐生がバックで攻め立てるが、1周2Mで突き放した。2着は磯部、3着は桐生。
★レースの鍵握った茅原悠紀は4着
大波乱決着に終わったレースの鍵を握ったのは、地元SG制覇に燃える茅原悠紀だった。伸び中心にエンジンの仕上がりは万全。「あのスリット隊形なら行くしかない」と、引くことなく強攻し、1枠の馬場と激しくやり合った。4着で2度目のSG制覇とはならず、年末のグランプリに向けて仕切り直し。この敗戦を糧にますます強くなる。
★羽野直也のこぼれ話
羽野直也のいる114期は、ボートレース界でも屈指の仲のいい集団。その日のレースを終えると、宿舎で反省会を行うことが日課となっていた。ところが、最近はそういうことが減ってきたのだとか。「温度差があるというのか、少しずつそういうことが減ってきましたね」と、ちょっぴりさみしげな表情を浮かべた。
そんな中にあって、ひた向きな姿勢を見せるのが、同期のリーダー格・西野雄貴(33=徳島)。「稼ぐために、何でもアドバイスをして欲しい」と、貪欲な姿勢をのぞかせている。羽野からしてみれば、そういうことは大歓迎。「切磋琢磨(せっさたくま)して、頑張っていきたいですね」と相乗効果を期待した。SGウイナーが誕生したことで、誰もが大いなる刺激を受けたはず。これからは大舞台で114期軍団のレースぶりから目が離せなくなりそうだ。
◆羽野直也(はの・なおや)1995年(平7)3月29日、福岡県生まれ。114期生として、14年5月の若松でデビュー。初勝利は15年4月の若松。初優勝は16年7月の芦屋。SG初優勝は17年10月の大村周年。通算優勝回数は19度。G1優勝は4度。SGは今回が初優勝。同期には松尾拓、西野雄貴、中村桃佳、倉持莉々らがいる。167センチ、52キロ。血液型AB。
◆SG優勝戦最高配当更新 23日に行われた児島オーシャンカップで羽野直也が優勝。2着に磯部誠、3着に桐生順平が入り、3連単は(5)-(3)-(4)は16万260円(103番人気)とSG優勝戦における最高配当となった。過去の最高配当、05年6月の下関グラチャン優勝戦での6万390円を大幅に更新した。