<KEIRINグランプリ2023:こんな大一番 他にないだろ?>◇立川◇30日
◆山口拳矢(27=岐阜)日本選手権優勝
GPも単騎の戦いを強いられる。しかし、山口は単騎戦にめっぽう強い。初のビッグ制覇となった岐阜G2共同通信社杯を制したときも、G1初Vの平塚日本選手権(ダービー)を勝ったときも単騎だった。
97年岸和田ダービーの優勝インタビューで浜口高彰(引退)が「中部でタイトルをたらい回ししたい」と言ったほど、中部が栄華を誇ったのも今は昔。すっかり層が薄くなったことが、山口が単騎を苦にしない要因になるとは皮肉な話だ。
「自分には脇本(雄太)さんや犬伏(湧也)さんのような絶対的な脚力はない」と自任する。その分、位置取りも含めてクレバーな走りが真骨頂だ。犬伏の主導権取りが濃厚だったダービー決勝も、新山響平や脇本より前でレースしたことが優勝となって結実した。
GPも「車番が問題」と、出た番組で最適なプランを組み立てる。単騎に強いことをGPでも証明する。【村上正洋】
◆深谷知広(33=静岡)選考用賞金7位
深谷が愛知から移籍して2年。静岡登録で初めて出場する6年ぶり6度目のGPは、これまでとは重みも深みも違う。
昨年は、かたくなに人の後ろを回らなかった。21年2月、郡司浩平のG1全日本選抜の優勝に貢献してから、見返りを求めることもなく、ひたすらラインの先頭で風を切った。
しかし、昨年12月の伊東G3で「来年(23年)を見据えて思うところがあった」と封印を解く。すると、今年は郡司の番手で1月に大宮G3を制し、開幕ダッシュに成功。以降も若手の背中を押しながら、自身も着々と賞金を積み上げた。
「南関の仲間に勢いが出て、G1での戦いが楽しくなった」。深谷が輪の中心で見せる姿勢が、南関のレベルを底上げした。そして、この舞台に戻った。
GPは地区単騎になったが、戦術も人間の幅も広がった深谷には何の不利もない。【松井律】