<取手競輪>◇F2◇初日◇12日
東日本大震災から13年がたった。発生した日付から一夜明けた3月12日の朝は、福島勢の連勝から始まった。
1Rは田村純一(37)が、鮮やかなまくりを決めて快勝し、「自分のスタイルで勝負しようと思っていた」と、納得の表情で振り返る。震災時は、「小田原(開催)前検の前日で、地元(西白河郡)で確定申告をしていた最中でした。すぐに税務署を出ると、外の電柱が激しく揺れていて、あんなの初めて見ました」。開催もすべて中止となり、自宅での避難生活に。「家族でジッと過ごしてましたよ。2週間、水と電気のない生活で。車にガソリン入れるため、栃木まで行きました」と振り返る。
2Rを勝った坂口だったが、「ラインで決められなかった…難しい判断でした」と、前後を固めてくれた北ラインの絆に、感謝した。震災時は、「(岡山の)玉野G3にいました。テレビで見て、もうビックリして‥‥」と切り出す。その後すぐに飛行機に飛び乗り、まずは羽田空港へ。新幹線、特急電車はすべてストップ。在来線(常磐線)を乗り継ぎ、ここ取手まで来たという。「岡部(芳幸)さんと緑川(修平)と一緒に行動していました。岡部さんの弟子・真船(圭一郎)が車で、取手まで迎えに来てくれたんです、それで一緒に福島に帰ることができました」と、あの日をたどってくれた。岡山空港では大きなスーツケースを購入し、そこにライフラインを維持する支援物資を詰め込んでから、出発したという。
2人はともに西白河郡に在住する「ご近所」でもあり、絆も深い。2R終了後はすぐに、田村が坂口の祝福に駆けつけた。いみじくも準決5Rで、ラインを組むことも決まった。田村が駆け、番手の坂口は徹底援護に努めるのは、間違いない。強力な石川航大が前を走る九州ラインを相手に、どんな戦いを見せてくれるか? 再び、福島の熱い絆に注目したい。