<125期・男子注目ルーキー>
阿部英斗(20=福岡)は、次代の九州をけん引する大砲として期待が高まるルーキーだ。高校時代には自転車競技で数多くのタイトルを獲得し、世界を相手に戦ってきた。
逸材ぞろいの呼び声高い125期の中でも高いポテンシャルを秘めており、現在は4年後のロサンゼルス五輪を目指してナショナルチームで研さんの日々を送るが、ゆくゆくは競輪界の勢力図を塗り替える可能性も秘めているホープだ。
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自転車との出会いは、意外なきっかけだった。「競泳をやっていた母が自分を水泳選手にさせたくて、4歳の時にトライアスロンの動画を見せられた。そこで自転車に魅せられて、乗りたい! ってなった」。母の思惑を知ってか知らずか、阿部少年は自転車にどんどん魅了されていく。
「トライアスロンのコーチに『そんなに自転車が好きなら、自転車の選手になった方がいい』と勧められたし、8歳の時に競輪祭を見に行ってインパクトがあった。そこから競輪選手になりたいと思い、9歳からは自転車一本に絞った」と自転車競技の道を歩んでいく。
松山学院高時代に素質を買われてジュニアのナショナルチーム入りすると、22年のジュニア世界選手権ではケイリンで銅メダルを獲得。鳴り物入りで競輪学校養成所の門をたたいた。
「競技者というより競輪選手になりたかったので、当初は養成所卒業後は競輪一本と決めていた」というが、「養成所に入る前に2カ月間ほどナショナルチームで練習した時に、強くなるにはここが最適だと思った」と、養成所卒業後はナショナルBチームに所属、伊豆に住んでトレーニングを積んでいる。「競技では、ロサンゼルス五輪出場が目標です」と4年後の大舞台を見据えている。
競輪選手としての目標と問われると、ほとんどの選手がG1優勝などの具体的なターゲットを掲げる中、阿部からは「ファンに愛される選手になりたい」という意外な回答が返ってきた。「目標は村上義弘さん。小さい頃に競輪祭の入り待ち、出待ちをして、その時にファン対応の良さに感激した」というエピソードが心の奥底にあるからだ。
幼少期の自分が、自転車や競輪選手の素晴らしさに接してきたように、阿部もまた、未来の子供たちに夢を与える選手になることを目指している。「村上さんを超えたいですね」。記録にも、記憶にも残る名選手を目指して、競輪選手としてのスタートラインに立つ。
◆阿部英斗(あべ・あやと)2004年(平16)5月23日、福岡県北九州市生まれ。松山学院高卒。22年8月ジュニア世界選手権トラックのケイリンで銅メダルを獲得。競輪選手養成所125期生として今年5月に平塚ルーキーシリーズでデビュー(予選2、2着、決勝3)。173・5センチ、80キロ。血液型O。