日本競輪選手養成所の卒業記念レース最終日が5日、静岡競輪場で行われた。
127期生の自治会長を務めた中田拓也(28=広島)は、125期の“ビッグマン”こと藤井優希をほうふつさせるキャラ濃いめの逸材だ。1回戦が終わると、よく通る声で「競輪を盛り上げたいんです」と語った。
ロードレース出身の中田は、広島のチームにいた時に吉本哲郎と出会い、競輪選手を目指すことを決めた。「自分は長距離しかできないと思っていた。でも、吉本さんや周りの方々の指導のおかげでここまで来られました。兵庫にいた時は池野健太さんにもお世話になったんです」。いい出会いに恵まれるのは、彼の人柄のせいだろう。
中田には難病を抱える56歳の母がいる。透析治療をしながら家族を支えてきた。「すごく苦労をかけました。恩返しができる期間は少ないかもしれないし、早く活躍したいんです」。
準決勝は6着。決勝には進めなかったが、ゴールまであきらめず、全力でもがいた。車椅子で観戦した母の目には、息子の雄姿がたくましく映ったはずだ。