S級1班の競輪選手で、長らく一線級で活躍した大塚健一郎(48=大分)が現役を引退する。
また1人、個性派がユニホームを脱ぐ。激しい競り合い、身をていしたブロックと闘志を前面に押し出した走りで漢字の“競輪”を体現してきた暴れん坊が、バンクを去ることを決心した。
14年の高松宮記念杯準優勝を筆頭に4日制以上のG1は12度の決勝進出を数え、11年にはS級S班の座にも上り詰めた。ただ、荒々しい走りで落車と隣り合わせの代償は大きく、度重なるけがに苦しんだ。ここ数年は満足のいくレースもできず、昨年11月の奈良2日目の落車を最後に実戦から遠ざかっていた。「練習はずっとやっていたが、復帰した時に今までと同じ走りができるのか。そう考えると怖くなり…。自転車に乗れなくなった」と苦しい心情を吐露した。
1つ上の先輩で、最大のライバルでもあった小野俊之さんが3月に引退したことも引き金になった。背中を追い続けてきた存在がいなくなることが「ショックだった」と動揺を隠せなかった。
デビューから満身創痍(そうい)で走り続けた27年間の選手生活にはピリオドを打つが「自分の人生には競輪しかないので」と、今後は競輪界への恩返しに努めていく。