元サッカーブラジル代表で、日本代表監督も務めたレジェンド、ジーコ氏(73)が、プロアスリートの先輩として、ヤングレーサーに向けて成功のコツを語った。5月26日、ボートレース浜名湖で行われたSGボートレースオールスターに来場した際に受けた日刊スポーツの単独インタビューを、G3第13回イースタンヤング(18日開幕、ボートレース津)、G3第13回ウエスタンヤング(19日開幕、ボートレース福岡)の開幕に合わせて公開する。(取材・構成=菅家大輔)
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響き渡るエンジン音、鮮やかなターンで上がる水しぶき、一瞬で勝負が決まる緊張感。ボートレースを初めて生観戦したジーコ氏は「私はさまざまなスポーツが好きです。ボートレースは以前から知っていたけど、見るのは初めてですが、非常に興味深いスポーツですね」と話した。
F1レーサーの故アイルトン・セナ氏とも親交が深かったジーコ氏は、「水上のF1」とも称されるボートレースに臨むレーサーたちへのリスペクトを表した。
「サッカーでもボートレースでも、どのスポーツにおいても準備がとても大事です。ボートレーサーの方々も、いきなりレースで運転することはできないし、技術や知識を積み重ねてしっかり準備をしてレースに臨んでいると思います」
ボートレース界では多くのヤングレーサーたちが成功をつかむべく、日々、勝負に挑んでいる。プロアスリートの先輩として、何より成功者として、ヤングレーサーが成功するために必要なことを聞くと、当たり前のことを当たり前に続ける重要性を口にした。
「準備、そして練習だと思います。反復練習で自分を磨くことで、自信をつかみ、結果に結びつけることができます。良い食事、良い休養があってこそ、良い練習ができる。その流れを続けることができれば成功をつかめるでしょう。どれかを怠ったり、やり過ぎると結果にはつながりません」
自身の経験が、言葉に説得力をもたらしている。14歳でブラジルの強豪フラメンゴの下部組織に入団した時は身長155センチ、体重37キロと小柄で細身だった。栄養化が高い食事と、コツコツと筋力トレーニングを積むことでフィジカルの弱点を克服。「サイボーグ」と言われるまでの肉体を手にした。
91年、Jリーグ開幕前の鹿島アントラーズに入団すると、当時はまだプロとしての準備がなされていなかったチームに技術、戦術、精神面などのピッチ内の意識改革はもちろんのこと、経営側にも「プロとしての当たり前のこと」を注入。今やJリーグ屈指の名門となった鹿島の礎を築いた。
だからこそ、ジーコ氏のヤングレーサーへのメッセージは、シンプルだった。シンプルなことを続けることがいかに難しいかを知り、それを続けることで成功にたどり着けるという体験をしているからだ。
最後にプロアスリートとして必要なことを付け加えた。それは、「ファンへのリスペクト」だ。
「ファンへのリスペクトを持つのは当たり前のことです。応援、サポートしてくださる皆さんは、自分(選手)のために笑顔になったり、涙を流したりしてくれる。その人たちを大切にしなければ、プロアスリートとしての成功はないと思います」
「サッカーの神様」とも言われたジーコ氏のメッセージは、多くのヤングレーサーたちに成功してもらいたいという思いが込められたものだった。
◆ジーコ 1953年3月3日、ブラジル・リオデジャネイロ生まれ。本名アルトゥール・アントゥネス・コインブラ。フラメンゴで活躍し、81年トヨタ杯リバプール戦で来日。83~85年はウディネーゼでプレー。ブラジル代表は76年に初選出され、通算72試合52得点。W杯では78年3位、82年2次リーグ敗退、86年8強。89年末に一度引退したが復帰して91年に鹿島入りし、94年に引退。02年W杯後に日本代表監督になり、06年W杯は1分け2敗で1次リーグ敗退。