森保ジャパンは、1次リーグ第2戦の相手となるウルグアイに18年10月16日のホームでの親善試合に4-3で競り勝っている。だが、南米選手権での同国はその時とはまるで別のチーム。大会最多16回目の優勝を狙う古豪に付け入る隙はあるのか? さまざまなデータを分析し検証した。

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ウルグアイは右サイドからの攻撃がより強力だ。16日の1次リーグ初戦エクアドル戦では同サイドを起点に攻めて4-0で快勝した。そこからの攻撃は比率にして41%を占め、逆の左サイド(33%)を大きく上回った。右から敵陣に攻め入り、最後はスアレス(32=バルセロナ)とカバニ(32=パリサンジェルマン)の2枚看板がゴール前で仕留める。スアレスが右サイドに流れるシーンも数多く見られ、セリエAを8連覇中のユベントスの右サイドバック、32歳DFカセレスの豊富な運動量も健在だ。

つまり、相対する日本の左サイドは注意が必要になる。だが、初戦のチリ戦では同サイドを徹底して突かれた。前線の中島のドリブルは散発で、トップ下の久保とは連動せず。その後ろの守備は後手に回った。

中島と久保のパス交換は同時にピッチに立った66分間で2本だけ。中島と交代で出場した安部と久保は24分間で計4本のパス交換があっただけに、久保と中島の2人による崩しがいかに少なかったか分かる。

期待された久保は徹底マークされ、被タックル数が両チーム最多の10回。そんな中でも随所に光るプレーは見せ、ドリブルを仕掛けた回数が同最多の7回、スルーパスも同最多6本を数えた。だが、周囲との連係はまだまだで、特に中島との連動した攻めはほとんど見られなかった。ウルグアイの強みの1つである右サイドを自陣に押し込める意味でも、今後の日本を担うであろう2人には、カバニとスアレスを上回る「あうんの呼吸」のようなものが求められる。【石川秀和】

ウルグアイの攻撃進入経路
ウルグアイの攻撃進入経路