日本は22年ワールドカップ(W杯)カタール大会アジア2次予選F組で前半戦4試合を終えて全勝、計13得点無失点で首位ターンを決めた。今予選はアジア最高のFIFAランク27位イランが2勝2敗でC組3位、H組の韓国が2勝2分けなど、アジアの第1シード国の取りこぼしが目立つ。そんな中でも日本は参加40チームで唯一、無失点での4連勝。サッカー分析会社「データスタジアム」のデータを基に日本のここまでの戦いを検証した。

強豪国でも苦戦するのがW杯予選。日本も勝ってかぶとの緒を締めたい。他のグループと比べて恵まれた感のあるF組の日本だが、ここまでの2次予選4試合のデータを分析したところ、セカンドボールへの出足の鈍さという課題が明らかになった。

14日のキルギスとの第4戦は象徴的な試合となり、「こぼれ球奪取率」は43・1%。どちらに転がるか分からないボールを拾った回数は日本31回に対してキルギス41回と10回も下回っていた。特にピッチを3分割した中盤のミドルサードでの同奪取率は39・1%まで低下。キルギスが3-6-1の布陣で中盤に人数を割いてきたこともあるが、そこでボールを回収できず、2次攻撃を受け続けた。

中でもボランチの遠藤が回収0では寂しすぎる。相手のフィジカルの強さを生かしたロングボール攻撃を1度ははね返すものの、その後の球際の競り合いで後手に回り、リズムに乗れなかった。スコアは2-0でも敵陣ペナルティーエリア内でのプレー数は16-23と終始劣勢だった。

もっとも、こうした傾向は今回のキルギス戦に限ったことではない。第3戦のタジキスタン戦でも同奪取率は47・6%にとどまった。こぼれ球への出足の鈍さはここまでの4試合を通じた課題。最終的に相手のミスやGK権田の好セーブもあって致命傷にはならなかったが、最終予選を見据えると、来年3月からの後半戦はさらに集中力を高める必要がありそうだ。【石川秀和】