日本サッカー協会は30日、キリンチャレンジカップのパラグアイ戦、ワールドカップ(W杯)アジア2次予選兼アジア杯予選のミャンマー戦に臨む日本代表メンバーを発表した。

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手堅いメンバー選考のように映るが、その中に森保監督のブレを感じる。以前は移籍したばかりの欧州組に対し、クラブに慣れることを優先し、招集を見送っていた。その時は「なるほど」と思った。だが、今回は堂安、中島、久保ら新天地でまだ立場を確立していない選手を呼んでいる。ブレている。シーズン序盤にクラブを離れて、彼らが出番を失う結果になったら、長い目で見て日本代表にとっての損失になる。

同時に、この時期こそ彼らに代わって新戦力を試せるチャンスだ。W杯2次予選はしびれる相手じゃないはず。この時期に選手層を厚くし、チームを底上げしないで、いつするつもり? 最終予選が始まったら、もうそんな時間はない。それに2次予選にベストメンバーで臨んで、自分たちのサッカーができたと喜んで、勘違いしてほしくない。

それより東京オリンピック(五輪)に向けたチームの方が心配だ。A代表とU-22代表を兼任する森保監督が、たまには逆に動いた方がいいと思う。W杯より五輪本番までの方が残り時間が少ないのだから、今回はA代表をコーチに任せて、森保監督はU-22代表の北中米遠征に行くべきではないかな。せっかく6月の南米選手権に五輪世代とOA(オーバーエージ)で行ったのに、その流れがどうつながっていくのか、見えてこない。

もともとは森保監督は五輪チームの指揮官だった。最終的に東京五輪でメダルが取れればいいけど、もし結果が出なかったら、誰が責任を取るのだろう? 当初は兼任監督もメリットがあると思ったが、今では中途半端な印象だ。(日刊スポーツ評論家)