地元・東京からの五輪出場へ、FW田川亨介(22)が事実上の最後の希望となった。日本サッカー協会(JFA)は20日、6月に国際親善試合2試合を行うU-24日本代表メンバーを発表。FC東京からは唯一、田川が選出された。「いよいよだなと。より激しい競争になる」と、気持ちを新たにした。

A代表と兼任する森保一監督(52)は「今回の活動を五輪の選考の場と考えている」と、今回のメンバーに入った選手だけに五輪の可能性が残されていることを示唆した。今季開幕から好調をキープし続けてきたことが、最終選考まで生き残ることにつながった。

東京には可能性のある選手が複数人いた。筆頭はDF渡辺剛だったが、今季の自身の不調に加え、DF冨安健洋、DF吉田麻也のA代表CBコンビが加入し壁はさらに高くなった。昨季ルーキーで存在感を示したMF安部柊斗は出場機会を確保しきれず、DF中村帆高は負傷。GK波多野豪はコンスタントに試合に出場しながらも落選した。

田川は五輪年代では飛び級でU-20W杯韓国大会に出場するなど、有望視された選手だった。しかし19年に鳥栖から東京に加入してからは層の厚いFW陣の競争が激しく、2度の負傷離脱もあって長く代表から遠ざかった期間も。決して腐ることなく、日々サッカーノートに気づいたことを書き残しては見返し、練習での工夫につなげた。辛抱強く過ごした日々は無駄にならなかった。

U-20W杯ロシア大会の際は、同じく飛び級だったMF久保建英(ヘタフェ)とともに練習では控え組に入っていた。その久保は今、チームの中核になった。海外組がいないFW陣。今回の2試合で残す数字が五輪に直結する。「最後の最後。自分の中で強い覚悟を持って臨みたい」。自国五輪で日の丸を背負うストライカーは自分だと、闘志を胸にしまって代表に合流する。【岡崎悠利】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「サッカー現場発」)