「チームがいかにいい状態で試合ができるか」に心を砕いた。自らに主将というプレッシャーをかけて臨んだという。昨秋、ハリルホジッチ監督の厳しい行動制限と連日の長いミーティングで疲れ果てる仲間をおもんぱかり、直談判に出た。「日本人は言われただけやろうするので、頭がいっぱいになってしまう」と、ミーティングの短縮を要請。試合前の自由時間も要求した。厳格な指揮官に提案を受け入れてもらった。

 3月22日に右膝の手術を受けた。復帰の目標を「8月31日」に定め、6月にユニセフの活動でエチオピアを訪れた際も標高3000メートルの高地でトレーニングを重ねた。オフの期間は週6日のペースでリハビリに励んだ。7月には妻でモデルの佐藤ありさが第1子を出産し、大きな力を得た。

 若手の台頭に「誰1人、W杯に行ける切符をつかんでいない」と、チーム内の競争は覚悟している。約6万人のサポーターには「また大きいことをしたいと思っています」と宣言した。野心を抱き、自身3度目となる本大会に向かう。【岩田千代巳】

 ◆日本の個人W杯出場試合数 98年から3大会連続出場のMF中田英が10試合で1位。2位はMF稲本で8試合。3位は7人が7試合。MF長谷部らは18年大会で1次リーグ3試合に出場し、16強に進出すれば歴代最多11試合となる。