FIFAランク50位の日本代表は、16日のベネズエラ戦からスタメン11人全員を入れ替えて臨み、同90位のキルギスに4-0で快勝した。これで、森保一監督は就任から4勝1分けと「負けなし」で、今年最後の国際親善試合を終えた。

森保監督の一問一答は以下の通り。

 

森保監督 まずは、今日のキルギス戦で豊田スタジアムに足を運んでいただいた皆さん、メディアの皆さんを通して応援してくださった皆さんにお礼申し上げたい。日本代表の活動を支えてくださっているキリングループの皆さんも、40年、支えて強化の環境づくりをしてくださったおかげで、成長し続けられていることに感謝したいと思います。ご支援に感謝するとともに、これからもよろしくお願いいたします。

試合は、FIFAランクだけで言えば格下とみられると思う対戦ですけど、相手がどこであれ、試合では高い基準を持って最後まで戦い抜こうと伝えました。選手たちが、私が言わずとも、レベルアップ、成長するための試合にしようと声を掛け合っていた。点差が開いてきても、チャレンジする姿勢を忘れることなく、声を掛け合いながら、意思統一してくれたことが良かったと思います。アジア杯の前、最後の試合になりましたが、準備はどうだったか分かりませんが、より高いレベルになって戦っていくことを選手が示してくれました。いい準備ができたと思います。アジア杯でも大会中に成長しながら結果を出していきたいと思います。

 

-先発を全員、入れ替えた。すぐ得点が入った後は攻めあぐねた時間帯も。課題は

森保監督 まずは、トレーニングからやっていることを選手たちが出してくれた。ただ、もっと縦パスを入れるタイミングがあったり、入った後に個で局面を崩すだけでなく連係、連動の形をもっと多く出せれば良かったかなと思います。でも、まずは現段階において、やろうとしたことをしてくれたことは評価したいと思います。

 

-アジア杯に向けてチームづくりの手応えは

森保監督 親善試合という、Aマッチの試合ではありましたけど、どれだけいいトレーニングになるか、選手がトライしてくれて自信にある。ただ、アジア杯に向けて結果論ですけど、4-0という結果は、アジア杯の成績を保証してくれるものではないことは、強調していきたい。ベネズエラ戦から先発全員を変えて戦った。より強くするには選手層を厚くして、選ばれた選手が、アジア杯やほかの大会に臨めるように。たくさんの選手が経験をしてくれたことが、これからチームに戻って、さらなる成長につなげてくれると思います。答えにはなっていないと思いますが、最善のことはできた。アジア杯は、また最初からチャレンジする気持ちを持って、やっていきたい。

 

-力の差が出た

森保監督 力の差がどれだけあるかいうことは置いといて、このあいだの試合から、途中出場の選手が流れを変える、試合を決める、締める、落ち着かせる、勢いづかせる。途中出場した選手が活性化したことは、ベネズエラ戦から修正できたこと。これからの試合に向けても、途中出場した選手が役割を発揮してくれれば。起用の中で、すべてが同じレベルの選手ではない。グループの中ではあり得る。まだまだ経験が足りない選手に関しても、可能性、伸びしろがある選手たち。これまでの結果と可能性で招集している選手もいる。今はまだ実力的には足りない部分がある選手も、代表を経験することで伸びるし、試合で気付いたことを自チームに戻って伝えてくれることが、さらなるレベルアップにつながる。現時点で差はあっても普通のことかなと思います。浅い選手が、ベテランや実力ある選手と同じピッチに立つことで、相乗効果、融合していく。そこはチャレンジしていきたい。

 

-就任して3カ月。アクシデントもあった中、手応え、やり残したことがあれば

森保監督 想定外のアクシデントもあった中で、9月のキリンチャレンジ杯は北海道の大地震で被災した中で、選手たちだけではなく、代表として活動しているすべての人間が、支えてもらって活動できていることが分かったことが大きい。試合はできなかったけど、ホテルで手厚くサポートしてもらったことは、支えがあるから、の思いを強くさせてくれた。大阪でも台風21号で被災された中、日常生活を取り戻していない中で試合をさせてもらった。活動の意味を考えさせてもらったことが良かった。そして、想定外の時に、直近の試合で準備する時間がなかった時にも、選手が動揺することなく、与えられた環境の中で落ち着いて最善を尽くす。ベストを尽くす。選手たち、スタッフたちがやってくれたことを、続けていきたいと思います。ボールを握って試合を展開することはできたと思いますが、油断したり、隙を与えていたら失点していたかも。4点を取った後もチャンスをつくり続けることができたことは、常に目指す場所は高いところにあるということ、やり抜いて最善を尽くすことをやってくれたことを、これからも続けていきたいと思います。すいません、長くなって。でも、想定外のことは起こらない方がいいと思いますけど、最善の準備を怠ることなく、やっていきたい。

 

-前線のカルテットだけについて質問します。ウルグアイ戦とベネズエラ戦でサッカーの質が違った。ウルグアイ戦を上回ることができる選手は、ほかにもいるか

森保監督 国内だけではなく、海外にも力のある選手はいますし、ベネズエラ戦の前線の選手に追いつける選手はいます。力の差はあるかと思いますが、トレーニングで選択肢を持たせてあげる。そこは自分の課題。これから伸びていく選手たちに何を提供できるか、自分の責任であり課題だと思っています。