日本代表の国内組と一部の海外組が2日、成田空港へ帰国した。

森保一監督(50)は、今後も幅広く選手の状態をチェックして多くの選手を試したい考えを語った。3月には国際親善試合のキリンチャレンジ杯で強豪コロンビア(22日・日産ス)、ボリビア(26日・ノエスタ)と対戦する。最大の目標である22年W杯カタール大会8強進出を見据え、フラットな目線で選手選考を続ける。

試合終了から約16時間、日本の午後5時すぎに帰国した森保監督は、出迎えた約400人のサポーターに会釈を繰り返した。試合会場から1度現地のホテルに戻ってわずか1時間ほどで帰国の途についた。「レベルの差が本当に拮抗(きっこう)してきている。簡単な試合はなかった」。新チーム発足からまだ約半年。アジアをけん引する立場で目標だった最大7試合をクリアしながらも、最後にしくじった。表情が緩むことはなかった。

アジアでは依然実力上位。だが期待された優勝はならず、初めて決勝で負け、カタールに目の前で初優勝された。足元を見つめ「目標は世界を見ること。ただ、アジアでの違う戦いもできないといけないと今大会で分かった。アジアでより確実に勝つ力をつけることが、W杯での目標にたどりつくことになると感じた」と振り返った。

チーム発足から招集した選手の中で結果を残したメンバーを今大会で選出した。フラットな目線で状態のいい選手を招集したい考えは今後も変わらない。「代表活動、所属チームを含めて結果を残している選手が代表の中心になっていく。競争をあおるつもりはないが(競争は)当然あること」と新戦力の招集にも含みを持たせた。

少し休暇を取り、再び試合の視察を再開する。今月にも自身2度目の欧州視察を行うプランもあり、W杯ロシア大会の主力や若手選手の状態を確認し、各クラブとの情報共有を進める構えだ。6月開幕の南米選手権も待つ。敗軍の将となったが、指揮官に立ち止まる時間はない。【岡崎悠利】