青森山田高のDF松木玖生(くりゅう、16)が16日、ユアテックスタジアム仙台(宮城)で開催された「サッカーU-16(16歳以下)国際ドリーム杯」に日本代表で出場し、2大会ぶり3度目の優勝に貢献した。

ナイジェリア、ルーマニア、メキシコの4カ国が総当たりで対戦し、日本は3戦全勝。松木は全3試合に出場し、12日ルーマニア戦と16日メキシコ戦ではフル出場。正確な左足と豊富な運動量を武器に左サイドバックとして奮闘した。またGKでも秋田出身の高橋一平(15=神戸U-18)と岩手出身の田中春希(16=磐田U-18)が日本のゴールを守った。

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松木は今春、1月の高校選手権を制した青森山田高に入学。ボランチを主戦場に高校最高峰のプレミアリーグでは6試合中5試合に先発するなど、すでにチームの心臓だ。今大会はサイドバックとして召集され「普段と違うポジションで違和感はあるが、ボランチで出られるレベルに達していない」と実力を謙虚に受け止め、「ボールを取られないという部分や、判断スピードが遅いので改善したい」と課題を挙げる。それでもボランチと違い、「相手に360度囲まれないのでボールは持ちやすい」と手応えも感じている。

初戦の12日ルーマニア戦では、前半に対面する相手MFのスピードに翻弄(ほんろう)され、縦への突破を許したが、後半にはスピードを出させず見事な修正力を発揮。「体を入れてファウルをもらえたのは収穫。高い位置でボールを受けられずオーバーラップが多くなかった。得点にかかわるようなシーンを増やしたい」と反省も忘れない。CKのキッカーを任されていたが、「ヘディングは負ける気がしない。自分の判断で中に入り得点を狙った」と貪欲だった。

青森山田中では16、17年に全国中学総体優勝、昨年は準優勝と世代のトップを走ってきた。青森山田高では神戸MF郷家友太(20)、札幌MF檀崎竜孔(りく、19)、MF武田英寿(3年)ら背番号10の先輩が身につけてきた出世番号7を背負う。

松木はU-16のメンバーとともに、9日の日本対エルサルバドル戦をスタジアムで観戦した。A代表デビューした東京MF久保建英(18)について「飛び抜けている感覚があった。ワンプレーで会場をどよめかせてすごい。一緒にやってみたい」と目を輝かせた。Jリーグで活躍して、将来はスペインなど欧州でのプレーも夢見る16歳。「他の選手の長所を奪い、自分の長所にしたい」とさらなる成長に意欲を見せる。久保のように飛躍する日は、そう遠くない。【山田愛斗】