【ドゥシャンベ(タジキスタン)=松尾幸之介】ついに“キング”に追いついた。サッカー日本代表のMF南野拓実(24=ザルツブルク)がタジキスタン戦の後半8分に先制点を挙げ、93年の元日本代表FWカズ(三浦知良、52=横浜FC)以来となるW杯予選開幕から3戦連発、国際Aマッチでは4戦連発となるゴールを決めた。同11分には2点目もマーク。アウェーの大観衆の中で苦しむチームを勝利へと導いた。

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26年ぶりの快挙達成弾が、うねるようなアウェーの大歓声を沈黙させた。スコアレスで折り返した後半8分、左サイドのMF中島からのクロスに南野が頭を合わせた。メモリアル弾はW杯予選3戦連続でのヘディングゴール。前半の決定機で決められなかったことを悔やみつつも「背があまり高くないので相手のCBの前に入ったり、裏をとる動きが勝負。そういう部分で今日も駆け引きに勝てた」と喜んだ。

先制後はすぐに気持ちを切り替えた。1点じゃ足りない。均衡を破られて緩んだタジキスタンにつけ込むと、直後の11分に今度は右サイドのDF酒井のクロスに右足を合わせて2点目。森保ジャパンでは初の2桁得点者となる10得点目を挙げた。

チームの攻撃を活性化させたのは、ピッチ内での判断にあった。「前半はなかなかFWにボールが入らなかった」と後半から1トップの鎌田とトップ下に入る自身のポジションを入れ替えた。「相手が落ちてきたのもあるけど、結果的にうまくいった」とパス回しがスムーズになり、狙っていたサイド攻撃から3得点を生んだ。今回は不動の1トップだったFW大迫を負傷で欠く中、得点源としての役割をしっかりと果たし「総力戦の中で勝てて、チーム力を見せられたと思う」と喜んだ。

チームは南野の得点で安定感を取り戻し、37分にも途中出場のFW浅野が追加点。苦しみながらも無失点に抑え、3-0の快勝でW杯2次予選3連勝を果たした。キングの記録に王手をかけて臨んだ試合は今回で2度目。1度目のチャレンジとなった昨年11月16日のベネズエラ戦ではシュート1本に終わり不発に終わったが、同じ過ちは繰り返さなかった。「これからもチームで連戦が続くので、まずはけがをしないこと。自信はついてきているので、いつも通りプレーできれば」。どこまで連続ゴールは伸びるのか-。