日本代表と東京五輪世代のU-23(23歳以下)日本代表を兼任する森保一監督(51)が7日からの欧州視察を終えて20日に帰国した。

同監督によると、回ったのは6カ国で、会ったのは21人となった。

ドイツではMF長谷部誠、FW鎌田大地(以上フランクフルト)とDF遠藤航(シュツットガルト)。フランスではGK川島永嗣(ストラスブール)とDF酒井宏樹(マルセイユ)。イタリアではDF吉田麻也(サンプドリア)とDF冨安健洋(ボローニャ)。ベルギーGKシュミット・ダニエル、FW鈴木優磨、DF松原后、MF伊藤達哉(以上シントトロイデン)、MF三好康児(アントワープ)。オランダではDF菅原由勢(AZ)、MF堂安律(PSV)、DF板倉滉(フローニンゲン)、MF中山雄太(ズウォレ)。スペインではMF香川真司(サラゴサ)、FW岡崎慎司(ウエスカ)、MF柴崎岳(デポルティボ)、MF久保建英(マジョルカ)のもとをそれぞれ訪れた。

五輪世代の選手とは、これまでの活動の振り返りなどをしたという。オランダでは堂安、板倉、中山と同時に会ったといい「戦術面などもディスカッションした」と話した。

一方で五輪でオーバーエージ(OA)枠の世代にあたる24歳以上の選手には「要請があった場合にはぜひ協力してほしいという話をしてきた」。すでにA代表を引退した長谷部に加え、香川や岡崎ら直近のA代表には招集していない選手についても、同様のコミュニケーションをとったという。

シュツットガルトのDF遠藤は16年リオデジャネイロ五輪の主将。当時の経験も聞き、OA選手との融合は簡単ではなかったことを感じ取ったという。

ただ今回は、A代表と五輪世代のU-23(23歳以下)日本代表を兼任し、五輪世代からA代表に入っている選手も複数人いる。6月の南米選手権では逆に、五輪世代が中心のチームにMF柴崎らA代表の選手が合流する形で活動した。「融合がスムーズにいく経験ができているという話も選手から聞かせてもらった」と、現状を冷静に見る。

OA組をU-23日本代表と融合させるタイミングは現状、6月のフランス遠征を見定めているという。

ここまでの活動で一定程度の融合が図れていることがひとつ。そしてOAを組み込む前に、ここまでの活動で見えた課題を改善させることも目的にある。「なんとなくベテランの選手に引っ張られて、『自分たちがやれている』という感覚にならないように。改善しないといけないことを、五輪世代の選手が主体的にやれるように。チームの力を最大限に出せるようにしたうえで、OAに来てもらうことが最終的にいいエネルギーになるかなと思う」。そう狙いを語った。

指揮官はここまで「1人でも多くの選手にコンセプトを知ってもらいたい」と繰り返し、幅広く選手を見てきた。五輪本番まであと約5カ月。世代間の融合を見据えると、3月に行われる国際親善試合2試合が、チームを固め始める1つの区切りになりそうだ。【岡崎悠利】