日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長(62)は27日、3月31日のW杯アジア2次予選モンゴル戦(ウランバートル)の延期を提案する考えを示した。新型コロナウイルスの影響でモンゴル政府が日本からの渡航者に対して厳しい入国制限を取ることを受け、アジア・サッカー連盟(AFC)と国際サッカー連盟(FIFA)に事態を報告する。「日本だけの問題じゃなくなってきている。フェアじゃない部分も出てくる。人の動きを含め、実際にこういう時にやることが本当にいいのか」と語った。

W杯本大会が通常の夏季ではなく冬季の開催になる点に着目する。「全体のスケジュールとその国のスケジュールで、うちは動かせても他は動かせないとかもある。だが(本大会が)22年の11月と12月なので、動かせるところはあるかもしれない。どこの国も苦労してやっているし、選手たちに何かあると大変なことになる。我々はAFC、FIFAに対してしっかりものを言っていきたいと思っています。議論し、我々から提案したい」。中東も含めアジア全体の問題としてとらえて議論を重ね、公平かつ安全な方法を模索していく決意を示した。

JFAハウスで行われた技術委員会では、関塚技術委員長が近日中に予定する欧州視察の際、各クラブに今後の招集に向けた話し合いに加え、新型コロナウイルス関連の状況を説明する考えを示した。3月下旬のU-23(23歳以下)日本代表の国際親善試合(3月27日同南アフリカ戦、同30日同コートジボワール戦)の実施も不透明のまま。状況が日々変化するだけに決断のタイミングは難しいが、W杯予選について田嶋会長は「(FIFAとAFCの決定が)来週ぐらいには出ないと困る」と語った。