久保建英Vアシスト世界デビュー「次はシュートを」

後半、アシストとなるパスを出す久保(撮影・山崎安昭)

<U-20W杯:日本2-1南アフリカ>◇1次リーグD組◇21日◇韓国・水原

 日本が2-1の逆転で南アフリカを下し、白星発進した。FW久保建英(15=FC東京ユース)が途中出場し、後半27分にノールックパスでMF堂安律(18=ガンバ大阪)の決勝点をアシストした。世界デビューでいきなり輝きを放ち、最重要と位置づけていた初戦の勝利に貢献した。日本は24日のウルグアイ戦に勝てば他カードの結果次第で、1次リーグ突破が決まる。

 期待の15歳が最初のプレーで違いを見せた。後半14分、MF三好に代わりベンチスタートの久保が登場。ピッチに入ってすぐに中盤でパスを受けると、前を走るFW小川に絶妙なスルーパス。いきなりGKと1対1となる好機をつくった。受けた小川も「動いてはいましたが、さすがに(パスが)出てきましたね…」と感嘆交じりの口調。わずかな時間で日本の攻撃を変えた。

 逆転弾も久保から生まれた。同27分、左サイドからゴール前にパスを通す選択肢もあったが、あえてダイレクトにノールックで後方の堂安へ返した。「『後ろ』と声が聞こえた。堂安選手の位置はだいたいつかんでいた。相手は日本語も通じないので」。パスを受ける一瞬、顔を上げて堂安のフォローを確認。冷静さが決勝弾につながった。

 スペインでアシストの楽しさを知った。サッカーを始めたばかりの川崎市内の幼稚園時代はゴールが大好き。年齢を隠して小学1年の試合に出場したこともある。その時は5対5の10分間の試合で1人で10点以上を決め、相手GKが泣きだしてしまった。

 当時の指導者は語る。「(バルセロナ下部組織にいた)小6のとき日本に帰ってきて当時の同級生の練習試合に出たんです。パスで点を決めさせていたんですよ。俺が俺がという部分があった彼が『点を決めさせるアシストも楽しいですよ』って。成長を感じました」。久保のパスで初めてゴールを決めた子供もいたという。アシストの喜びはこの試合でもゴールを決めた堂安に駆け寄る久保の笑顔からにじみ出ていた。

 それでも「逆の見方をすれば今日は下がって受けたぶん、自分でシュートにいけなかった。次は工夫をして自分でもシュートにいきたい」と満足していない。南米王者ウルグアイとの第2戦。次は自分が主役になる。【岡崎悠利】

 ◆日本が大会初の逆転勝ち 5大会ぶりの出場となった日本は、この日の逆転勝ちで大会通算14勝9分け13敗と白星が1つ先行(PK戦は引き分け扱い)。FW小川の同点ゴールが日本の大会通算50点目となった。先制されながら2点を返し逆転したが、日本がU-20W杯で逆転勝ちは、03年大会の決勝トーナメント1回戦韓国戦(2-1)以来2度目。前回は延長戦勝ちで、90分試合での逆転勝利は今回が初めて。年齢制限のないA代表のW杯では日本の逆転勝ちは過去になく、先制された試合は1分け6敗。

 ◆日本の次節1次リーグ突破条件 日本は24日のウルグアイ戦に勝ち、同日の南アフリカ-イタリア戦が引き分けか、南アフリカが勝った場合は1試合を残して日本のD組2位以内が確定し1次リーグ突破が決まる。イタリアが勝った場合、グループ2位以内決定は27日の最終戦に持ち越し。