柴崎岳が代表復帰も 大枠リスト55人中の上位に

15年6月、W杯ロシア大会アジア地区2次予選のシンガポール戦で、前半、パスを出す柴崎

 日本協会が、今季からスペイン1部ヘタフェでプレーするMF柴崎岳(25)の約1年10カ月ぶり日本代表招集を検討していることが11日、分かった。6大会連続のW杯出場がかかるロシア大会アジア最終予選オーストラリア戦(31日、埼玉)とサウジアラビア戦(9月5日、ジッダ)に向けた大枠リストに入っており、バヒド・ハリルホジッチ監督(65)も、かつての常連の情報収集を本格化した。

 今夏からスペイン1部に挑む柴崎に、ハリルホジッチ監督がまた目をつけた。指揮官が再来日した5日に「55人」と明かした大枠リスト。関係者によると、その上位に柴崎の名前が浮上しており、ヘタフェのプレシーズンマッチの映像が急ピッチで集められている。

 招集されれば、公式戦では鹿島アントラーズ時代の15年10月のイラン遠征以来。ここに来て再検討が始まったのは、ケルン大迫が負傷したFWだけでなく、中盤の海外組にも不安があるからだ。守備的なフランクフルト長谷部は右膝手術明け。7月14日に実戦復帰したものの、最終予選を万全の状態で迎えられるか分からない。攻撃的なドルトムント香川も左肩脱臼からの完全合流を目指している段階。その中でインサイドハーフ(攻撃的MF)もダブルボランチもトップ下もこなす柴崎への期待が相対的に高まった。

 試合勘もある。今年1月に移籍したスペイン2部テネリフェでは序盤こそ適応に苦しんだが、4月末から最終戦まで11試合連続で先発出場。昇格プレーオフでは4試合1得点2アシストの結果を残した。ヘタフェ加入後の練習試合も今月9日のアルコンコン戦まで3戦連続で起用されており、同5日ジローナ戦では“移籍後初ゴール”をマーク。20日の開幕ビルバオ戦へ定位置争いを続けている。日本代表スタッフ会議でハリルホジッチ監督が挙げた「(オーストラリア戦の前に)2、3試合プレーしていること」という招集の目安も十分クリアできそうだ。

 柴崎のW杯予選出場は15年6月の2次予選初戦シンガポール戦が最初で最後。ロシア行きを志す中、最終予選には1度も呼ばれていない。指揮官の就任当初は常連だった秘蔵っ子が、日本の危機に成長した姿を見せられるか。メンバー発表は24日に予定されている。