ハリル監督親族末期がんだった、W杯指揮は不透明

W杯出場を決めた瞬間、ガッツポーズで大喜びする日本代表ハリルホジッチ監督(左)(撮影・狩俣裕三)

<W杯アジア最終予選:日本2-0オーストラリア>◇B組◇8月31日◇埼玉

 日本(FIFAランク44位)がW杯本大会と予選で8戦未勝利だった宿敵オーストラリア(同45位)に2-0で勝ち、初出場から6大会連続となるW杯切符を手にした。

 バヒド・ハリルホジッチ監督(65)は試合後の会見を一方的に切り上げ、質問を受け付けなかった。「実はプライベートで大きな問題がある。この試合の前に帰ろうかなと思ったくらい。サッカーとは関係ないこと」と説明。事情を確認した日本協会広報にも「家族の問題」とだけ話し口を閉ざしたという。

 関係者によれば、親族が末期がんで闘病中だという。気持ちが高ぶったのか「もしかしたら、ここに残るかもしれないし、残らないかもしれないし」とも口走った。W杯を決めた日に、自らの今後が不透明であるとした。

 合宿中に直接打ち明けられていたというMF長谷部主将は「時に人生の中ではサッカーより大切なものもある。どんな決断も尊重したい」と気遣った。混乱の中、日本協会は「サウジアラビアには行くことまでは決まっている。行く以上、指揮も執ることになる」と説明。指揮官のショックは大きいようで、今後が気になるところだ。