今夜W杯抽選 日本は死の組と「神のくちばし」予想

インコのオリビアがサッカーW杯ロシア大会で日本代表と同組に入る国を予想。左からドイツ、スペイン、コスタリカ

 日本はいばらの道? 来年6月開幕のサッカーW杯ロシア大会の組み合わせ抽選会が今日1日午後6時(日本時間2日午前0時)からモスクワで行われる。これに先駆け、運勢占い歴9年のインコ、「那須どうぶつ王国」(栃木県那須町)のオリビア(雄、12歳)が「模擬抽選」で日本と同組となる3カ国を選んだ。ハリル、なでしこの両ジャパンにリオ五輪代表の勝敗予想で、15試合中12試合を的中させた「神のくちばし」が導いた結果は、とんでもないものとなった。

 自慢の黒いくちばしが、キラリと光った。人工芝を敷いた「占い台」に日本が対戦する可能性のある第1~3ポット(P)の国旗を設置。オリビアにドロワー(抽選者)として各Pから1カ国ずつ選んでもらった。

 第1P。及川のぞみ飼育員の掛け声を合図に直進したオリビアはまずロシアにかみついた。顔を横に倒しながら必死に引き抜いた。さすが「神のくちばし」、世界ランキングは出場国で最も低い65位という「おいしい国」をかぎ分けた…と思いきや、続けざまに隣のドイツも引き抜いてしまった。“ピッチ”に2チームを並べて熟考すること4分。最後は前回王者ドイツを拾い上げ、首を上下に振りながらルンルン気分で及川さんの元へ帰還。同園の宮地さくら広報が「いつも楽しそうに占いをやっている」と話すように、ご機嫌で組み合わせ抽選を進めた。

 第2Pでは、すぐに前々回王者スペインの元へ突進。一瞬ペルーも気にはしたが、40秒でスペインを選んだ。第1Pで悩んだ姿がウソのような即決劇だった。

 この2チームに日本は国際Aマッチで勝ったことがない。ドイツはMFクロースやMFエジルらを擁して欧州予選を10戦全勝、スペインもMFイニエスタらを軸に華麗なパスサッカーで同9勝1分けと強さをみせた。赤い尾をフリフリしながらたたずむオリビアが「世界をとりたければ、この2国を倒してから言え」と言っているように思えた。

 第3Pは30秒で決めた。欧州は同じ組に最大2カ国まで、それ以外の大陸連盟チームは同組とならないため、対象は欧州3カ国とイランを除いた4カ国。すぐさまコスタリカへ突き進んで決めた。コスタリカは前回大会でウルグアイ、イングランド、イタリアという歴代優勝国3チームと同組の中、首位突破を果たして8強入り。チームは4年前とほぼ変わらず、実力国の1つだ。

 本来の抽選では各Pの中身は分からず、今回と形式は異なるが、導き出されたのは日本サッカー史上最難関とも言える「死の組」だった。激戦が頭に浮かんで興奮したのか、及川さんは「今日はオリビアの体がいつもより熱い」と明かした。インコは人間と喉の構造が似ており言葉を発する。日本は1次リーグを突破できるのかと聞かれたオリビアは、涼しい顔で「はい!」と答えた。運命の組み合わせはモスクワのクレムリンでもうすぐ決まる。【松尾幸之介】

 ◆抽選方法

 <1>第1Pの8カ国のうち開催国のロシアはA組へ、残りの7カ国をB~H組へ振り分ける。

 <2>第2Pの8カ国から1カ国を選び、それがA~Hのどこに入るか抽選し決定する。なお、南米のペルー、コロンビア、ウルグアイは第1Pのブラジル、アルゼンチンとは同組にならないように抽選する。

 <3>第3Pも同様の手順で抽選し各組へ。なお、欧州は同組に2カ国まで。その他の大陸連盟チームは同組にならないよう、第4Pまで抽選を進め、各組の4チームが決定する。

 ※P分けは10月16日発表のFIFAランクを適用

 ◆オリビア アフリカ西海岸の森林地帯原産の、インコの一種にあたるヨウム。08年から那須どうぶつ王国で、希望者におみくじを引いて運勢占いをしたところ「プロポーズが成功した」など喜びの声が続出して話題になる。14年からサッカーの勝敗予想も始めた。現在、占いは引退し、一般展示もなく、その姿はレギュラー出演中のバードパフォーマンスショーでのみ見ることができる。平均寿命は30~40歳で知能も高く、ペットとして人気があったが、1月にワシントン条約の国際希少野生動植物種に追加され、一般財団法人自然環境研究センターへの登録なしに売買、譲渡、貸し借りなどを行うことは法律で禁止されている。