大島僚太、代表でも10番「決断力持ってやりたい」

練習前、パス回しする大島(右端)ら。左端は谷口(撮影・江口和貴)

 東アジアE-1選手権に臨む日本代表のMF大島僚太(24=川崎フロンターレ)が、背番号「10」に決まった。日本協会が6日に発表した。大島は悲願の初タイトルを手にした川崎Fでも「10」を背負い、チームの“心臓”として優勝に貢献。昨年9月のA代表デビュー戦はチームも敗れ不完全燃焼に終わったが、約1年ぶりの代表のピッチで再びアピールする。

 国内組で臨む日本代表の10番は、大島に決まった。「責任のある番号だと思うので、しっかり責任を持って頑張りたい」。昨季から、川崎Fで初めて日本人選手として「10」を背負うが「特に(親近感は)ないです。どの番号でも同じように責任を持ってやらないと」と、何度も「責任」の言葉を口にした。

 歴代代表の「10」は名波浩、中村俊輔、香川真司ら名選手が並び「すごい選手が付けている印象で、今でも10番のイメージは中村俊輔さん」と話す。最近ではアシックスのシューズのFW乾が「10」を付けたが、アディダスの選手のイメージが強く、ミズノの大島は「アディダスの選手じゃなくていいのかなというのもあります」と笑わせた。

 前日5日の練習ではハリルホジッチ監督から「縦パスで裏を狙え」と熱い指導を受けた。川崎Fではリーグ優勝を成し遂げたが「やり方も求められるものも違う」と切り替え「背後を狙う味方の動きを見逃さないように、決断力を持ってやりたい」と意欲を見せた。14年のW杯ブラジル大会は、MF山口、青山ら直前の東アジア杯で活躍したメンバーが抜てきされていった。「優勝すれば評価も上がる。団結して勝ちにこだわらないといけないなと」と見据える。A代表デビュー戦となった昨年9月のW杯ロシア大会のアジア最終予選UAE戦は敗戦に終わったが、今大会ではしっかり勝利に貢献し、ロシア行きをアピールする。【岩田千代巳】

 ◆ハリルジャパンの背番号10 通算33試合で3人が背負っている。MF香川が最多26試合。次いでMF乾の4試合、FW興梠の3試合となる。乾は香川が途中離脱した今年のW杯最終予選の2試合と、香川が招集外だった直近の11月欧州遠征の2試合。興梠は国内組だけで臨んだ15年東アジア杯で3試合。

 ◆東アジアE-1選手権 東アジア連盟(EAFF)主催で、同地域の1位を決める国際大会。90年に始まったダイナスティ杯が前身で、男子は03年、女子は05年から東アジア選手権として開催されてきた。13年大会から東アジア杯に名称を変更。今大会から現在の名称になった。国際サッカー連盟(FIFA)の公式戦ではないため、海外組を招集する強制力がなく、国内組だけで構成される。