あのクロップ監督がほれ込むFWマネ/セネガル紹介

W杯アフリカ最終予選でドリブルするセネガルのマネ(ロイター)

 来年6月開幕のW杯(ワールドカップ)ロシア大会で日本と対戦するH組のライバル国紹介最終回は、1次リーグ第2戦で戦うセネガル。過去W杯出場は02年日韓大会だけだが、開幕戦で前回覇者フランスを破った上、初出場でベスト8進出と“旋風”を起こした。その再現を狙って16年ぶりの大舞台に立つのはタレント軍団。日本にとって最も脅威になりそうなのが、FWサディオ・マネ(25=リバプール)だ。

 マネは屈強なプレミアリーグのDFたちを次々と抜き去るスピードスター。ドリブルはしなやかで決定力もある。15歳で首都ダカールのアカデミーに入り、メッス(フランス)、ザルツブルク(オーストリア)、サウサンプトンを経て、昨季からリバプールでプレーする。昨季はリーグ戦27試合13得点で、選手会が選ぶベストイレブンにも選出。味方に頼られ、相手に嫌がられる選手の称号を得た。

 その才能をいち早く見つけたのがリバプールのクロップ監督だ。アフリカ人として史上最高額とされる移籍金4070万ユーロ(約52億9000万円)での入団が決まった際、12年から注目していたと明かした。セネガルが8強入りしたロンドン五輪で、だ。最終的に交渉は破談したが、名将は当時率いていたドルトムントに入れようと試みたことからも、ほれ込みようが分かる。

 実際にマネはリバプールになくてはならない存在になった。今年1月にアフリカ選手権でマネが不在だった時期に、リバプールは1勝しかできなかった。10月のW杯予選でマネが負傷すると、クロップ監督は大一番となる11月の同予選に向け「なるべくマネを使わないでほしい」と、セネガル協会にアプローチしたとされる。マネも指揮官を慕い、指導に感謝する。移籍初ゴールを挙げた際はいきなりその背中に飛び乗っている。

 物心ついたころから道路でボールを蹴り、いわゆるストリートサッカーで技を磨いた。もちろん10歳の時に見た02年W杯での母国の快進撃はマネの夢になった。そこから確実に階段を上ってビッグクラブにたどりついた。ロシアではもう1つの夢が待っている。