堂安に五輪エースの自覚と覚悟「結果出し世代交代」

別メニューで調整する、左から南野、堂安、中島、植田(撮影・横山健太)

サッカー日本代表MF堂安律(20=フローニンゲン)が4日、札幌市内で行われている代表合宿に合流した。前日3日、オランダから帰国し、1日遅れで練習に参加。A代表初招集の東京オリンピック(五輪)エース候補は、若手の中心としての自覚と覚悟をあふれさせた。この日、堂安を含む海外組4選手が合流し、森保ジャパンメンバー23人が勢ぞろいした。

日本代表としての初日を、堂安は楽しんだ。DF植田、MF中島、南野とランニングなどで別メニューで調整した。談笑しながら走り終えると、ピッチ外からチームの練習を見守った。外からも吸収しようと必死に熱視線を送った。ふと、自身の身を包む日の丸のユニホームに気づいた。「世代別で代表のユニホーム着させてもらったけど、また違う意味のある服を着させてもらい楽しかった。小さい頃からのあこがれの場所だったので。ただ、いざこうピッチに立つと実感がない感じで」。少し夢見心地だった。

次世代のエースとして期待される20歳にとっては、やっと立てたスタート地点だ。G大阪ユース時代の15年、クラブ史上最年少の16歳11カ月18日でJ1デビュー。昨季、オランダ1部フローニンゲンに移籍するや、存在感を放つ。クラブの10代選手としてはFWロッベンの6得点超えの9得点をマーク。海外で結果を出し、ワールドカップ(W杯)ロシア大会でサプライズ選出の可能性もあったが、35人の予備登録入りできず。悔しい思いをした。今季は開幕から4試合フル出場で1得点。チームの主力だ。待っていたチャンスに「あいつすげーなと思われるプレーをしたい」と自信を示した。

チリ戦で得点すれば20歳83日。08年の内田の20歳87日を抜いて歴代9位に入る。平成最後の年、平成生まれに限れば08年香川の19歳206日に次ぐ記録。初出場初ゴールとなれば、海外組では今年3月の中島以来、史上2人目。「世代交代も若い選手たちが結果を残さないとそうならない。自然とそういう流れになるのを待つのではなく、自分たちでつかみにいけるように頑張りたい」。A代表の10番、リオ五輪の10番の系譜を継ぎ、東京五輪とW杯カタール大会へ突き進む。【保坂果那】

◆堂安律(どうあん・りつ)1998年(平10)6月16日、兵庫県尼崎市生まれ。西宮SSから中1でG大阪ジュニアユースに入団。ユース所属の高2時に16歳11カ月18日でクラブ最年少J1デビュー。16年に高3で飛び級のトップ昇格を果たし、16年度の年間アジア最優秀ユース選手賞を受賞。17年6月にオランダ1部フローニンゲンへ期限付き移籍。29試合9得点と活躍して18年4月にクラブが買い取りオプションを行使して完全移籍。172センチ、70キロ。