絶好調の南野にカズが25年ぶりの「オレ超え」厳命

ボール回しで競り合う南野(左)と遠藤(撮影・清水貴仁)

3戦連発中の日本代表MF南野拓実(23=ザルツブルク)が、今日16日の国際親善試合ベネズエラ戦(大銀ド)で元日本代表FWカズ(横浜FC)に肩を並べる。4試合連続ゴールすれば、93年のカズ以来、25年ぶり5人目の快挙。釜本邦茂とカズに並ぶ歴代4位の連続得点記録となる。偉大な先輩の背中はすぐそこ。新エース候補の挑戦が始まる。15日は、公式会見と冒頭15分公開の公式練習が試合会場で行われた。

南野はまだ止まらない。3試合連続ゴール中の新エース候補は、時折笑顔を見せ、リラックスした様子だった。大記録が懸かっていても動じない。直近の欧州リーグで達成したハットトリックとリーグ戦のゴールを手土産に今回の代表へ合流。精神力の強さと、好調の自信が満ちていた。

「こだわるのはゴールかアシストでチームに貢献すること。代表で(の活躍が)自信になってクラブでも好調になっている」

大きな背中が目の前に見えている。4戦連発を達成すれば、カズ以来25年ぶり。偉大な先輩とは1度対戦したことがある。13年2月、C大阪下部組織から昇格したプロ1年目の宮崎合宿で行われた練習試合で対戦。カズから刺激を受けて、約2週間後の開幕戦ではクラブ史上初の高卒ルーキー開幕先発を勝ち取った。

当時のことをカズも覚えている。南野について「非常に印象深い、いい選手だった。今、さらにすごい選手になっていると思うので楽しみにしています」。そして“自分超え”も厳命した。「代表の中でも中心選手としてこれからやっていく存在だと思います。4戦連発もそうですし、5、6戦とどんどんゴールを決められるようにね」と、新エースの成長を楽しみにした。

代表初得点からの4戦連発となると渡辺正の5試合連続に次いで歴代2位で、監督就任後初戦から4戦連発は、釜本邦茂に並ぶ歴代トップタイ記録となる。歴代の名高い点取り屋と肩を並べることになるが、本人は至って冷静だ。

「記録は気にしない。勝利が最優先。いいプレーできるように考えている」

森保ジャパン唯一の4試合連続先発が濃厚も「特別な場所」と位置づける日本代表で生き残れるよう必死。ワールドカップ経験のある大迫とは積極的に意見交換し、助言を求めている。目指すのはゴールと勝利のみ。絶好調男が、つかみ取る。【小杉舞】

▼日本代表の国際Aマッチ連続試合得点記録 不出場だった場合、記録は途切れるが、4試合以上連続ゴールは過去に4人で計7度。93年のFWカズが最後となっている。不出場だった試合を挟んだ出場試合で4戦連発は、04年のFW久保竜彦(当時横浜)15~16年のFW本田圭佑(当時ACミラン)が記録している。