大迫、数字も物語る代表での「半端ない一人二役」

6月のW杯コロンビア戦で、前半、ゴール前で相手と競り合いシュートを放つ大迫

<2018ニッカン・フットボール・アウォーズ:日本代表編>

「ニッカン・フットボール・アウォーズ」の第2回は日本代表編。サッカー分析会社「データスタジアム」のデータを使って、代表のこの1年を振り返る。3人の監督が指揮した今年は計48人が出場した。FW大迫勇也(28)が、シュート数とラストパス数で最多。「半端ない」活躍で、今年の日本サッカー界の顔になった。

大迫が今年の主役を張った。そのプレーはまさに「一人二役」。1トップとして積極的にゴールを狙うだけでなく、チャンスメーカーとしても2列目の攻撃陣に好パスを供給し続けた。シュート数は今年の代表で最多の24本。シュートに結びついたラストパスも18本で、MF香川の12本を上回り最多だった。不動のセンターFWは、役者の違いを日本中に知らしめた。

味方のサポートが少なくても前線できっちりボールを収めた。力強く、巧みなポストプレーは輝きを放った。「ワールドカップでできると、自分でも手応えはすごくある。そこは続けて、そこからの展開を大事にしたい」。ポストプレー後に限らず、パスの成功率が昨年の69・3%→今年は74・7%にアップした。プレーの幅は、さらに広がっている印象だ。

所属のブレーメンでもセンターFWだけでなく、左サイドFW、トップ下と複数のポジションで起用されながら、柔軟に対応した。森保監督は「大迫は非常にいい選手で、彼に代わる選手がいない現状」と話していた。前線でタメを作り、南野、中島、堂安という20代前半の若手アタッカー陣のプレーを加速させた。現状では大迫とタメを張れる選手はいない。来年1月のアジア杯でも日本の最前線を駆ける。【石川秀和】