<俺とアジア杯>
日本代表を最も知る男MF遠藤保仁(38=G大阪)が、アジア杯に臨む後輩たちにアドバイスした。国際Aマッチ152試合出場は日本最多で、同杯は4度出場して2度優勝した。負けなしで18年を締めた森保ジャパンは、初タイトルを目指して9日にトルクメニスタンと初戦に臨む。遠藤は、平常心こそが優勝の秘訣(ひけつ)と力説した。【構成=盧載鎭】
アジア杯は怖い! 全チームが「打倒日本」で、目の色を変えて挑んでくる。その中で、若い森保ジャパンは勝ち抜くことができるか。代表戦を知り尽くす遠藤は、トップ下若手2人(南野、堂安)に期待を寄せ、平常心を失わないことを強調した。
遠藤 新体制がスタートして5戦。順調な滑り出しだとは思うけれど、親善試合とアジア杯はまったくの別もの。どのチームも打倒日本でくる。「日本を倒してやる」と、試合開始から息も荒いし、目が血走ってたりする。選手たちはそれを感じながらピッチに入ることになる。反則覚悟で足元を狙ってくることもよくある。ひるんでしまうと相手の思うつぼだけれど、どの選手もケガは怖いから、気にはなる。その中で平常心を保つのは、簡単なことではない。
-では打開策はあるのか
遠藤 経験豊富なマヤ(吉田)、長友、大迫が若手をいかに心地よくプレーさせられるか。初めて出場したアジア杯(04年、中国)で、ツネさん(宮本)とか能活さん(川口)が「オレらに任せてお前らは自由にプレーして」と言ってくれたから、オレとか俊ちゃん(中村)は伸び伸びプレーできた。本当はトップ下の若手3人への期待が大きかったが、残念ながら中島はリタイアした。その分、南野と堂安が、当時のオレとか俊ちゃんの心理状態でプレーできれば、優勝に近づくはず。
-優勝を妨げる要因は
遠藤 1次リーグを突破しても、トーナメントはまた別のプレッシャーがある。「負けたら終わり」の重圧が重くのしかかる。当然アクシデントはあるだろう。出場停止や試合中のケガでシステムが変わることもある。当然ほとんどの客は相手を応援する。相手も挑発してくる。味方のシュートミスやパスミス、さらに自分のミスが何度か重なる時間帯もある。それらが積み重なり、0-0の時間が続くと、自らを追い込み、相手に隙を見せることもある。そこで失点してしまうと、難しい展開になる。
-優勝のため、選手個々はどう動きべきか
遠藤 現段階では、なんとなくスタメン11人が固まりつつあるが、日本は選手層が厚く、自分のポジションを脅かす選手は何人もいる。香川、蛍(山口)ら不調や負傷で外れた選手もいる。またアジア杯は、世界のスカウトも注目する。どの選手もアピールしたい気持ちは強い。その気持ちが強いほど、個のプレーが目立つようになるが、この大会は個の能力で局面が打開できるほど甘くない。「仲間を輝かせる」。この気持ちでやれば結局、自分が輝くし、チーム勝利にも導くことができる。
代表経験豊富な遠藤の口からは、慎重な言葉が続いた。世代交代真っ最中の森保ジャパンにとって、優勝へのハードルはとても高い壁として立ちはだかるようにも思える。
遠藤 実力は日本がアジアのトップなわけだから、それを信じてプレーしてほしい。アジア杯もプレッシャーだけれど、W杯アジア予選は、比べものにならないほどのプレッシャーがある。森保ジャパンの最終目標は、22年W杯カタール大会出場だし、本大会で優秀な成績を収めること。アジア杯は、アジアを戦い抜くための通過点で経験を積む場に過ぎないとの認識で戦ってほしい。その方が好結果につながるし、W杯予選突破への自信にもなるはずだから。