中山雄太が初代表入りも 森保監督が欧州視察で訪問

欧州視察から帰国し、報道陣に笑顔で対応する日本代表森保監督

日本代表の森保一監督(50)が6日、約2週間の欧州視察から帰国した。ドイツなど6カ国を訪れ、準優勝だったアジア杯メンバーを中心にチェック。オランダでは1月にJ2柏から移籍した東京五輪世代のDF中山雄太(22)が所属するズウォレを訪問。3月の国際親善試合キリンチャレンジ杯コロンビア戦(22日、日産)ボリビア戦(26日、ノエスタ)で招集する可能性が出てきた。主力組の招集が厳しそうな6月の南米選手権(ブラジル)や今秋のW杯予選に向けても新戦力発掘に注力する。

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代表派遣の常連クラブの中に、新鮮な名前が交じっていた。森保監督は帰国後、都内で報道陣に対応。ドイツ、オーストリア、イングランド、スペイン、フランス、オランダで巡ったクラブを聞かれると、丁寧に約2週間の欧州視察を回想し始めた。

ハノーバー、ザルツブルク、ニューカッスル、サウサンプトン。スペインでは柴崎と乾に会ったと明かし、トゥールーズ、マルセイユとクラブ名を挙げると、最後のフローニンゲンの前に「ズウォレ」と口にした。「A代表には招集していませんが東京五輪世代には来てもらっていますし、フローニンゲンに行く動線でいけたので」。欧州デビュー前の中山のところへと立ち寄ったのは、高い関心の表れといえる。

2度目欧州の視察で、新戦力発掘の重要度は増した。各クラブとはアジア杯の選手派遣への謝辞とともに、南米選手権への派遣も話題にあげた。大会中がオフというのもあり、風向きは一様に厳しかった。「招集は難しい。招集義務がないというか我々に拘束力がない。クラブ側がノーといえば招集はできない」と現実を痛感。今後も交渉は続けるが「キリンチャレンジ杯はアジア杯から多少選手を入れ替えながらやっていきたい」と、新顔招集の意向を示した。

森保監督は「たくさんの選手に国際経験、レベルが高くプレッシャーのかかった試合をしてもらい、日本代表、サッカー全体のレベルアップをしていきたい」との信念を持つ。中山はセンターバックと、アジア杯で負傷者が続出したボランチもこなせる。アジア杯のMF堂安やDF冨安のように、A代表で潜在能力を開花させる可能性も十分にある。指揮官は「継続して、海外も、もちろん国内も視察をしていければ」との言葉通り、日が暮れるころには浦和がACLを戦う埼玉スタジアムへと視察に向かった。週末はJ1を視察予定。その時々でベスト布陣を編成するための旅路は続く。

◆中山雄太(なかやま・ゆうた)1997年(平9)2月16日生まれ、茨城県出身。柏ユース時代にJリーグの公式戦出場が可能な2種登録選手としてトップチーム入り。15年6月23日のG大阪戦でJ1初出場。17年のU-20W杯では、センターバックとしてA代表に定着したDF冨安とともに全試合にフル出場し、16強進出に貢献。同年にJリーグベストヤングプレーヤー賞を受賞。19年1月にオランダ1部ズウォレに移籍。J1通算76試合6得点。181センチ、76キロ。利き足は左。