主将の熊谷紗希「悔しい結果、受けとめて進みたい」

日本対アルゼンチン スコアレスドローに終わり、選手に声をかける熊谷(左から2人目)(撮影・山崎安昭)

<女子W杯:日本0-0アルゼンチン>◇1次リーグ第1戦◇10日◇パリ

サッカー女子の日本代表「なでしこジャパン」(FIFAランク7位)はW杯初戦でアルゼンチン(同37位)と対戦し、0-0で引き分けた。

主将のDF熊谷紗希(28)は厳しい表情で試合を振り返り「初戦の厳しさ、難しさはわかったつもりで声をかけましたけど、硬い、難しさはあったかなと思うけど、それでも勝たなければいけない試合だった。自分たちでうまく攻撃をつくっていくところで、うまく決定的なチャンスをつくれなかった。悔しい結果ですけど、受けとめて次に進みたい」と肩を落とした。

ゴール前を固めて引き気味に守るアルゼンチンの守備に手を焼き、相手の足の止まった試合終盤以外はチャンスらしいチャンスをつくることができなかった。加えて相手は1トップに熊谷の同僚で今季の女子欧州CL4連覇を達成したフランスのリヨンでプレーする身長180センチのFWハイメスを配置。フィジカルで押す相手の前に、ダブルボランチの杉田妃和と三浦成美は最終ラインに下がり気味となり、前線の選手が孤立。人数をかけた厚みのある攻撃を仕掛けることができなかった。熊谷は「1人1人の距離間がよくなかった。もっとサイドを使って、中を使ってというところとか。もう少しダイレクトとかでリズムを変えられたら相手を崩せたかなと思います」と唇をかんだ。

後半12分にFW横山久美に代わって1人目の交代選手としてピッチに立ったFW岩渕真奈も結果を猛省し「勝たなければいけない試合だった。情けないと思います」と声を絞り出した。岩渕自身は5月2日のリーグ戦浦和レディース戦で右膝を負傷して以来の実戦復帰となった。「多少の不安はあったけど、ピッチに入ったらやるだけだった。チームの力になれなくて悔しいです。とにかく得点だけだったので。多少はやれるなと思ったけど、結果を出せていないので切り替えます」と話した。

熊谷、岩渕ともに11年ドイツ大会の優勝を知るメンバーで、今大会が3度目のW杯となる。ここからの戦いについて岩渕は「相手どうこうではなく、勝つしかない。残り2つを勝てば問題ないし、全力でぶつかるだけだと思います」と気を引き締めていた。