板倉滉の武器はフィード力と対人/輝く男たち連載

板倉滉(2016年9月26日撮影)

<TOKYO2020へ輝く男たち(4)>

DF板倉滉(22=フローニンゲン)が高さと、川崎Fで鍛えた「フィード力」と「対人」を武器に南米の強豪に挑む。小学4年で川崎Fの下部組織に入り、当初はFWでプレーしていたが、当時の高崎コーチに「お前は将来、必ず背が大きくなる」と予言を受け、DFへ転向した。川崎Fはトップから下部組織まで一貫して「蹴る・止める」の技術に重きを置く。高崎コーチから「後ろでも足元の技術をつけないといけない」と幼い頃から蹴る場所、止める場所、ボールの置きどころなど、技術に向き合ってきた。

中学時代は160センチ台だった身長も、高校時代に恩師の予言通り伸びて186センチに。高さも手に入れ、15年にトップに昇格した。1年目は公式戦出場はなかったが、日々の練習でFW大久保(現磐田)、小林、MF中村ら元日本代表と対峙(たいじ)。大久保には「お前には何も怖さがない。もっとバチバチ来い」と鍛えられ、日々真っ向勝負。中村にはポジショニングを盗み見て学び、力を付けた。

2年目から徐々に試合出場のチャンスをつかみ、17年のACLではプロ初得点をマークした。今冬に日本人選手として初めてプレミアリーグのマンチェスターCに移籍した。現在は期限付き移籍でオランダでプレー。新天地では公式戦出場はないが、プロ1年目を乗り越え、花を開いた経験を糧に、再び大きな花を咲かせ、東京五輪に突き進む覚悟だ。【岩田千代巳】

◆板倉滉(いたくら・こう)1997年(平9)1月27日、横浜市生まれ。小学4年で川崎Fの下部組織に加入し、15年にトップ昇格。センターバックとボランチもこなし、17年3月のACLイースタン(香港)戦でプロ初得点。18年、仙台へ期限付き移籍し24試合3得点。19年からマンチェスターCに移籍し、現在はオランダ1部フローニンゲンでプレー。家族は両親と妹。186センチ、75キロ。血液型A。